表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/177

第96話

「バーダック艦長。ミケさん、凄く、嬉しそうですよね。」

 とりあえず、あるがままを伝えてみる。



「ああ。そうだな。うちの姫さんな、戦闘中は、いつもピリピリしているが、姫さんも、嬉しい時は、こんな風に嬉しいって体現できる、普通のむすめなのさ。」

 どうも、姫さんっていうのが、ミケさんの事の模様。



「あの可憐な笑顔を見ていると、あの人が、世間では有名な極悪TSトレジャースティーラーチームのリーダーで、魔王のアダナが付けられた人とは思えないっスよ。」



「極悪TSトレジャースティーラーチームか。まあ、確かに、世間じゃそういう認識だろうな。だがだ、姫さんや野郎共やろうどもはな、本当はG(ギア)強奪なんてしたいワケでもないのさ。」



「うん? ミケさんも、皆さんも、本当はG(ギア)強奪を……したく……ない?」



「ああ。だが、今はオマエには、まだ全ては話さん。話すとしたらオレじゃなく、姫さんがじかにオマエさんに話すだろうさ。オマエさんが本物なら、遠くない未来に、そういう日が来る。だが、その時が来るまでも、オレはともかく、姫さんや野郎共やろうどもが、世間が言うような、ただ単純に他者のモノを強奪するだけの極悪人だとは思わないでいてやってくれ。頼むぜ、ロクスリー。」

 バーダックさんが、オイラにというより、見えない何か……もしかしたら運命ってモノかもしれない……そういう何かにすがる様に、言葉をつむいでくる。





 本物とか、正直、何の事か分らないけど、そんな顔されたら、いくらダメなオイラでも、黙って頷くしか無くなるじゃないか。



 オイラが無言で頷くと、

「ああ、ありがとうな、ロクスリー。」

 と、オイラの頷きに礼の言葉を言った後、



「ロクスリー。オレの見立てだとな、オマエが本物かどうかは、まだ分らん……。分らんが……。オマエは本物になれる素質がある。」

 フッと軽く微笑を浮かべ、バーダック艦長が、オイラに握手を求めた。



 その無骨な手と握手を交わすと、ニッコリ顔で、

「ま、今は、まだまだヒヨッ子だがな!」

 バンバンとオイラの背中を叩いてきた。



「ハハ……。じゃあ、オイラ、早く、その本物って奴に成長しないとっスね。」

 オイラも、できる限り、ニッコリ笑顔で応える。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ