第88話
「落ち着け野郎共ッ‼ 確かに頭部はジーナだが、頭部が違うだけなのッ‼ 全体の1割なのッ‼ 後の9割はG²なのッ‼ だからこのGはG²なのッ‼」
ジャドと名乗ったレッドバイソンのリーダーが必死に言い訳をして来る。
「とか言って、どうせボディーパーツもパチモンなんだろ?」
ケビンさんが疑わしげに聞く。
「あんなジーナ頭のG²なんて聞いたことないしね。まあ、十中八九、パチモノよね。」
と、ユリンさんが断言する。
「違う! オレのGは、ちゃんとG²なのッ‼」
ジャドが必死で取り繕う。
そこで、
「このGの頭部は確かにジーナの様ですが、ボディーパーツはニーゼルレーゲンというG²のモノですね。」
と、マカロニさんが言って来た。
「えッ⁉ ボディーパーツは本物のG²だったんスかッ⁉」
驚くオイラ。
「おお、やっぱりリーダーのGはG²だぜ!」
「それなら、やっぱりオレたちが勝てるな!」
と、レッドバイソンの部下たちが自信を取り戻して勝ち誇る。
「そうだろ! そうだろッ‼ 兄ちゃんは良く分かってんじゃねぇーかッ‼」
と気を良くするジャド。
しかし……、
「まあ…そうなのですけど…ニーゼルレーゲンというG²は、レーゲンというG²の余剰パーツで作られたG²で、G²ですが量産型に近くて、凡百のKGと同じくらいの性能の、G²の中では最低の性能と言われるGなのですよね……。」
とマカロニさんが中指でメガネをクイッと上げながら淡々と告げる。
それに対し、
「何だ、やっぱりパチモンなんじゃねーか。」
と、ケビンさんが、当然のツッコミを入れる。
「やっぱりリーダーのG²は、パチモンなのかッ⁉」
「大丈夫なのかッ⁉」
と、またもレッドバイソンの部下たちがザワ付き始める。
「落ち着け野郎共ッ‼ どう言われようと、このスカーレットが強いのはオマエたちが良く知っているだろうッ‼ このスカーレットの力でこいつらを叩くぞッ‼」
と、ジャドがレッドバイソンの部下たちに激を飛ばす。
「確かにそうだ!」
「どう言われようとリーダーのスカーレットは強ぇぇぜ!」
「ああ、オレたちが勝つぜ!」
と、レッドバイソンたちが、自信と勢いを取り戻す。
「何やよう分からんけど変な自信があるようやな。まあ、降りかかる火の粉は払う主義や! このケンカ……買ったる!」
ミケさんがジャドを睨みつけ、指をポキポキと鳴らす。
だから、それ、怖いですって!
「おっさん、艦砲射撃!」
「おうよ、ミケ!」
バーダック艦長が応える。
「ケビンはうちと一緒に前衛でコイツらを叩き!」
「あいさ、姐さん!」
ケビンさんも即答。
「ユリンは中衛で、いつでもサポートに入れる様に準備しつつ砲撃!」
「おっ任せ~!」
ユリンさんも小気味良く応える。
「ロクスリー君とトニー君とマカロニは後衛で支援射撃!」
良かった……後衛なら、何とかデッドループしないかも……。
「了解です、ミケさん!」
マカロニさんも了承する。
「分りました、ミケさん!」
トニーさんも続く。
「了解っス、ミケさん!」
「ほな、状況開始!」
ミケさんが指令を下し、その一言が開戦の合図となった。




