第82話
「この分なら、Gの簡単な整備や補給なら、トニー君に任せれそうやね。まあ、うちらのKGはクセがあるから、ちょい苦戦するかもやけどね。」
ミケさんが、アウスブレンデンを撫でながら、整備の行き届き具合を確かめながら言い、
「じゃあ、中断した昨日の続きかな? シュタイガーンバオアーに、ケビンと、ついでにロクスリー君とトニー君も乗るか?」
と、イタズラした子供の様な顔で、ニタリって感じで言って来る。
「いや、ミケさんどころか、ユリンさんでもマカロニさんでも扱いきれないGに、ゲズにしか乗れないオイラが乗りこなせるワケないじゃないですか⁉」
「フフン…モノのついでって奴や。どうせ実戦では使わんのやし、ケビンのデータさえ取れれば、クライアントに用意せなあかんデータはもう取れとるんやから、後は、ついでの遊びみたいなモンやって。」
どや?面白い遊びやろ?と言わんばかりのミケさんに、
「面白いですね。ボク、そのKGに乗ってみたいです。」
と、トニーさんがミケさんの提案に乗って来た。
「おお、トニー君は、ノリが分るやん!」
「良いよ、良いよぉ! みんなでダメな結果出して、昨日の結果は、ユリンちゃんの実力が悪いワケじゃなくて、そのKGが悪いだけって証明しちゃおう!」
ユリンさんが、本末転倒な、ダメな方向性の期待を寄せる。
よっぽど、昨日のシミュレーターの撃墜された結果が悔しいんだろうね、アレ。
「まあ、こんだけ整備も補給も上手いトニーなら、Gの扱いもそつなくできそうだし、ラーゼンレーヴェじゃねぇとダメなオレより、良い結果出せんじゃねぇの?」
「おだてないで下さいよ。ボク、KGに乗るのなんて初めてで、ちょっと興味があるってだけで、そんなにGの扱いも上手くないですし。」
トニーさんが肩をすぼめて、かしこまりながら言う。
「まあ、実戦やのうてシミュレーターなんやし、気楽にやったらええよ。ほな行こうか。トニー君、シュタイガーンバオアーに乗り。」
「ハイ、ミケさん! トニー=スミス! ガンバります!」
トニーさんが、気合一発、やる気マンマンでシュタイガーンバオアーに乗り込む。
「では、起動しますよ。」
マカロニさんが、シミュレーターを起動させた。




