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第79話

 ソルファージュに着くと、G(ギア)デッキでさっきの戦闘機のパイロットが、オイラたちを待っていた。


 オイラたちがG(ギア)から降りるのを見計らって、戦闘機のパイロットのワカメ髪の青年が声を掛けて来る。





「先ほどは、助けて下さり、ありがとうございます。」

 ワカメ髪の人が、ペコリと深いお辞儀をする。



「そんな深々とお辞儀せんでもええって。うちら、アイツらラフィンスカルとは因縁があって、そのついでで助けただけやし。」



「いえ、それでも感謝してもし尽くせません。ボクの名前はトニー=スミス。トフィル村というところから来た旅行者です。この重戦闘機のアウスブレンデンで諸国を漫遊して見聞を深めていたのですが、この空域を飛んでいたところを、いきなり、さっきのTSトレジャースティーラーに襲われ、応戦しましたが、多勢に無勢で弾薬もEN(エネルギー)も尽きかけて風前のともしびというところで、アナタ方が助けに来てくれたのです。」

 トニーさんの説明を聞いて、



「それは災難やったね。ラフィンスカルの奴ら、ホンマに見境ないね。勝てると踏んだら、こんな旅行者まで狙うやなんて。まあ、助かって良かったね、トニー君。」

 ミケさんがニッコリ笑顔で返す。





「おっと、そっちの名前を聞いて名乗らんのもアレやな。うちはミケ=スターライト。TSトレジャースティーラーチームのトロイメンカッツェのリーダーや。」

 ミケさんが、自己紹介を始める。



「トロイメンカッツェのミケ=スターライト⁉ アヴァドンのミケと呼ばれている、あの⁉」



「まあ、嬉しくない呼び名やけど、世間では、そう呼ばれとるね。」



「世間の風評でイメージしていた人物像と、かなり違っているので、ビックリでした。」



「まあ、う言われるし、そういうのも、もう慣れたけどな。とりあえず、ブリッジに上がろうか。」

 ミケさんが、マトメという感じで、言って来る。







 そこから、ブリッジに上がり、ソルファージュのブリッジクルーや、オイラを含めたトロイメンカッツェのメンバー全員が、トニーさんに自己紹介をした。



 オイラは、相変わらず、父さんの息子って事で最初は興味を抱かれたけど、戦果がアレだった為に、G(ギア)さばきの腕は似てない一般ピープルって事でオチが付いた。


 うん、世の中、世知辛せちがらいです……。






「しかし、トフィル村だっけ? 聞いたこと無い村だな。どこら辺にあるんだ?」

 ケビンさんが、疑問点を、はてなって感じでトニーさんに聞く。



「この大陸の最北にある村です。あんまり交易もしていませんし、G(ギア)も無い村なので、逆にTSトレジャースティーラーの方々には縁遠えんどおい村かもしれません。」



「なるほど。強奪する価値のあるモノの無い村か。確かにTSトレジャースティーラーには縁遠えんどおいとこだな。」

 ケビンさんが、うんうんと、頷く。



「ボクを助けて下さったこのご恩、是非、お返しさせて下さい! アウスブレンデンの補給と整備が終われば、しばらく傭兵として置いて下さい! これでも、トフィル村では、旅行に出るまで、自警団に入っていましたから、少しは戦えると自負しています! もちろん、お代なんて要りません! ボクのせめてもの感謝の気持ちです!」

 トニーさんが、必死に訴えて来る。



「そこまで言うんやったら、傭兵と言わず、うちらトロイメンカッツェのメンバーに入れたげるよ。まあ、トニー君さえ良ければやけどね。」

 ミケさんが、ニッコリ笑顔をトニーさんに向ける。


 うん、この笑顔が反則級なんだよね、この人。



「は…ハイ! 是非お願いします!」

 トニー君が二つ返事で答えた。





「よし、じゃあ、今日からトニーもオレの兄弟の一員だ! よろしくな、兄弟!」

 ケビンさんが、トニーさんの背中をバシバシ叩く。



「よ…よろしくお願いします、ケビンさん!」

 トニーさんが、恐縮しつつ返す。

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