第76話
「ほな、状況開始!」
そのミケさんの指示の後、
「あいさ! アリーエルスラスター!」
ラーゼンレーヴェが急加速でミケさんと交代で前面に出る。
「ちょっと省エネってね! Aトライバレル! ノーマルバレットだ!」
ラーゼンレーヴェのAトライバレルがラフィンスカルのゲズ目掛けて実弾バズーカを放つ! けど、レーザーを纏ってない⁉ Aトライバレルの、あのバレットってバズーカ、EN消費を抑えて、そのまま撃つ事もできるんだ⁉
「クッ…右腕を持って行かれたッ⁉」
レーザーを纏っていないとはいえ、バレットの直撃でゲズの右腕が吹き飛ぶ!
「お…オイラで行けるのか…ッ!?」
とにかく大型バズーカを乱射する!
でも、やっぱダメだ…全然当たらないッ!?
「どこ狙ってやがる!」
「野郎! 舐めんなよ!」
あーッ⁉ ラフィンスカルのヒャッハーな方々を怒らせてしまったご様子ッ⁉
「このカラフルゲズ野郎が! 沈め!」
ラフィンスカルのジーナ2機がオイラに向かってレーザーライフルで狙撃して来る!
あぁぁぁぁ…回避が間に合わないッ⁉
「おっと、残念ながら、レーザーは利かないんですよ。」
ジーナ2機のレーザーライフルの攻撃を、マカロニさんのフェストゥングが肩代わりし、真正面から受けたのに……そ…相殺したッ⁉
あれ、きっと、昔に父さんが教えてくれた、A粒子を応用して、展開するのにENを常に使う上、レーザーシールドと違って、レーザーを凝縮して盾にするんじゃなく、機体の周りにA粒子をコーティングするだけだから実弾は防げないらしいけど、代わりに、恒常的にレーザーを相殺するっていう、Aフィールドバリアって奴なんだッ‼
「そんなのアリかよッ⁉ 反則じゃねぇかッ⁉」
ジーナ部隊が戦々恐々としてるところを、
「足を止めるなんて、ユリンちゃんに撃ってくれって言っているのと同じよ? Lトライバレル! 掃射しちゃうんだからッ!」
ユリンさんのエンジェルシードが、Lトライバレルのレーザーと実弾を交互に撃つ!
「そ…速射性が……ハンパねぇ…ッ⁉」
間隙の無い、凄まじい数のレーザーと実弾の弾幕が、ジーナ部隊を襲うッ!
「しかも…ッ⁉ 狙いが鋭い…ッ⁉ 一発の威力は低いが直撃して来る…ッ⁉」
1機のジーナがLトライバレルのレーザーで頭部を破壊され、もう1機がバレットで脚部を潰され、2機のパイロットとも脱出ポッドで逃げる!
あのLトライバレルっての、ミケさんが言ってた通り、トライバレルやAトライバレルよりは威力を抑えてるみたいだけど、十分威力があるのに、凄い速射性な上、命中精度も、半端ないみたいッ⁉
あれで、弾数も多いらしいなんて、あのLトライバレルってのも、何てトンデモ兵器なのッ⁉