第65話
「では、トリはボクですかね?」
マカロニさんが、中指でメガネをクイッと上げながら言って来る。
あ~。この動き、もう何度かやっているよね、この人。
多分、クセなんだろうね。
「ほいさ、オオトリ、お願いですよ、マカロニさん。」
「ええ。では。トロイメンカッツェのメカニック兼、KGフェストゥングの専属パイロットのロイド=ノーマンです。チームの皆さんからは、マカロニと呼ばれています。メカニックの力が入り用になったら、ご一報を。よろしく、ロクスリー君。」
マカロニさんが、ニッコリと笑顔を向けて握手を求めて来る。
「ほいさ。よろしくですよ、マカロニさん。」
こっちも笑顔と握手を返す。
「しかし、今回、ミケさんが強奪したシュタイガーンバオアーは中々のモノですね。特に、腿の辺りの駆動系が、しなやかなハリを持ちつつ、小鹿の様に瑞々しく、素晴らしい! 胸部も、出るところは出つつ、それでいてスレンダーな曲線美! また、首周りの肉厚でありながらスマートなボディーライン! 肢体も、必要な厚みは確保し、それでいてスラッと伸びて美しい! 素晴らしい! ハァハァ! 何とも素晴らしいボディーラインです! もう、思わず撫で回したくなるほどに! ハァハァッ‼」
何だか、ヒートアップしてらっしゃるッ⁉
「あ…うん…ええっと…とりあえず、落ち着きましょう、マカロニさん……。」
「ハッ⁉ ボクとした事が、ついつい熱くなってしまいました。すみません。どうも、メカの事になると、熱くなってしまうクセが抜けないんですよね。申し訳ない。」
うん、メカニックとの事だけど、できるだけマカロニさんにはメカの話はしない方が良さそう。