第63話
うんうんとオイラが頷いていると、
「ハイ! ハイ! ハイ! 次、私! 次、私!」
と、ユリンさんが意気込んで言って来る。
「じゃあ、ユリンさん、お願いっスよ。」
ユリンさんを促してみる。
「ハイ、ハ~イ! トロイメンカッツェのヒロイン! 悪・即・斬の万能サポートKG、エンジェルシードの専属パイロット、ユリン=エメラルドちゃんで~す! よ~ろしく~!」
うん…何となく分っていたけど…この人…妙にテンション高いわ…。
「え~っと。うん、よろしくっス。で、ですね。さっきの戦闘中、ユリンさんのエンジェルシードが、GのENを補給したり、弾薬を補給したり、Gの修理をしてたっすけど、どうなってるんスか?」
「それ聞きたいよね⁉ 聞きたいよね⁉ ユリンちゃんのエンジェルシードの秘密、聞いちゃいたいよね⁉ OK、じゃあ、答えちゃいましょう! エンジェルシードのバックパックには、ラジエールコンデンサーって言って、エンジェルシードに搭載されているオリジナルラジエールエンジンで発電した余剰ENを備蓄して、必要な時に他のGに供給できる装置が付いているんだよね。」
「おお、それ、凄い便利な装置ですね。アリーエルスラスターで超性能だけど燃費の悪いラーゼンレーヴェとかと一緒に運用すると、すっごい戦力になりそうっスね!」
「でしょ? でしょ? さらに、バックパックには、各種、レーザーマガジンやバレットマガジンが搭載されていて、味方のマガジン対応の武器の弾薬を補給しまくりんぐなのよ! どよッ! この超性能! ユリンちゃんのエンジェルシード! 凄い! カッコイイ! 惚れちゃう! そんなエンジェルシードを手足の様に扱えるユリンちゃん、天才! マジ、ゴッド! こんな私を愛しちゃう!」
ドヤッ!って顔でユリンさんが鼻息も荒く言って来る。
「う…うん、凄いと思うっスよ。」
ユリンさんの勢いに押されるオイラ。
「でね! でね! エンジェルシードの左腕部には、G修理装置が付いていて、左腕から延びる作業用アームで、修理する対象のGか、エンジェルシードの、損傷してない部分を切り取って、被弾した部分の上に切り取った装甲を貼って、プラモデルのパテ埋めの様に伸ばして損傷箇所を応急修理できるのよ! 皮膚の移植みたいな感じだね! どよ! マジ、パネェでしょ?」
「え…ええ…凄いっスね。」
ユリンさんの高いテンションの勢いに、頷くしかできないオイラ。