第56話
『では、僭越ながら、そろそろ、私の自己紹介をします。』
オイラの腕の中で丸まっていた38が声を掛ける。
「何、その子⁉ 何か、ボーリング玉が話しだしたんですけど⁉」
ユリンさんが、驚きの声を上げる。
『紹介が遅れました。外部接続OS38式と言います。私の事は……』
「38って呼んでやって下さいな、皆さん。なかなか愛着が湧く呼び名だと思うっスよ!」
オイラが皆さんと38が直ぐに打ち解ける様にと思って言うと、
『マスターの感性は最悪だと判断します。』
何故か38に咎められるオイラ…。
ありゃ? オイラ、何か悪い事した?
「38ちゃんね。なかなかカワイイ呼び名じゃない。」
と、ユリンさんが、オイラの腕の中の38のボーリング玉ボディーを撫でる。
「しゃべるボーリング玉ってのは、ちょいビックリしたけど、なかなか良い奴っぽいじゃん! よろしくな、38!」
ケビンさんが38をペシペシと叩く。
でも……あれ?
「うん? しゃべるボーリング玉が珍しいって、外部接続OSって、みんな38みたいに球状で話すモンなんじゃないんスか?」
疑問をそのままケビンさんにぶつけて見る。
「え? 外部接続OSって、音声ナビは他のにも普通にあるけど、形は、普通は大体、四角のノートパソコンみたいなノート型なんじゃねぇの?」
ケビンさんが何を当たり前の事をとでも言うような感じで言って来る。
「え…? 普通の外部接続OSって、四角形なんスか?」
驚きで、ほぼオウム返しで返してしまった。
「私たちが今まで見た事がある外部接続OSは、だいたい、四角形のノート型だったけど? 38ちゃんみたいなタイプは、始めて見たわね。」
ユリンさんが補足説明してくれた。
「う…う~ん…まあ、オイラ、外部接続OSって、38しか見た事なかったし、ファトス村の人たちも、38を見ても、特に何も言わなかったから、38タイプが普通だと思っていたので、逆にビックリっスね。」
「まあ、あの村は、平和ボケしとる田舎村やからね。外部接続OSも、あの村の中では38だけで、みんな見慣れて、あんまり騒ぐモンも居いひんかったってだけちゃうかな?」
「あ~。なるほど。」
まあ、確かに、ファトス村は、のんびりした村だし、そういう事、あるかもだね。




