第55話
その後、ミケさんは、急ぎの仕事とかで、30分ほど席を外すとの事で、その間に、トロイメンカッツェの皆さんたちとソルファージュの中を見て回るオイラ。
ソルファージュ内は、めちゃくちゃ広くて、盗んだシュタイガーンバオアーやFGを置いているGデッキは、20機ほどのGが置いてあるのに、まだまだ余裕でスペースがあって、これの倍ほどのGを置いても、全然余裕で入りそうな程だった。
居住ブロックも、かなりの広さで、入隊して住む場所に困る事は無さそうだった。
オイラが、驚きの中で、ソルファージュの中をキョロキョロしながら進んでいると、
「よっしゃ! 報告完了や!」
ミケさんが合流し、
「ここがブリッジや! さぁ! ようこそ、トロイメンカッツェへ!」
ミケさんに促されるまま、ブリッジに入る。
ブリッジは、前面がモニターになっており、その周辺には、計器類などが、いっぱいあった。
その中に、通信に出ていたソルファージュの艦長と、オペレーターのセリアさんの 他に、もう一人、クルーが居た。
黒髪でショートのマッシュルームヘアー。
青のジーンズに、白のクロース、黄色のジャンバーを着ている中背で割と細い男性。
その人が、オイラの視線に気付き、ニッコリと人懐こそうな笑顔を向けてくる。
「さて。仕事の打ち上げ兼ロクスリー君の入隊祝いのパーティーの前に、自己紹介から行こか? ロクスリー君、まずは君からや。」
ミケさんに促され、
「皆さん、はじめまして、ファトス村から来た、ロック=ロクスリー。15歳です。Gの操縦は下手っスけど、皆さん、よろしくお願いします。」
と、皆さんに自己紹介してみる。
「ねね、伝説のTHのリィト=ロクスリーの息子さんって話だけど、もしかして、親御さん譲りとかで、Gを発見する為の特別なノウハウとか持っていたりするの?」
ユリンさんが興味津々という感じで聞いてくるけど、
「残念。そんなノウハウとか持っているなら、オイラ、いま、ここでこうしてないっスよ。そんな能力があるなら、今頃、THやって、ひと山当てていると思いません?」
ありのままに話してみる。
「あ~。うん。納得。」
ユリンさんが、ウンウンと頷く。
「ロクスリー君は、ちょっと気が弱いのが玉に瑕やけど、すっごい感がええねん! こう、ズバズバ~って、危険を見抜くんやで? うちがファトス村の自警団を絡め捕る為に設置したスタンネットも、ザインの巡らした策略も見抜いて、的確に指示出してくれたんや! 一緒に居た、うちが保証する! このロクスリー君の感は一級品やで!」
ミケさんが、やんやとオイラを褒め称える。
「ほぅ、なかなか興味深いですね。」
マカロニさんが、中指でメガネをクイッと押しながら言って来る。
「おお、そんな凄ぇのかよ! 見た目と違って、やるじゃん!」
ケビンさんが、そう言いながら、オイラの背中をバシバシと叩く。
「う…う~ん…感っていうか、一回体験したから何が起こるか分かるっていうか……。」
上手く説明できず、しどろもどろで話していると、
「そう! ロクスリー君は、危険を感じると、既視感を感じるんや! みんなも、ロクスリー君が、既視感の話ししたら、よう聞きや!」
ミケさんがそう締めくくる。
「凄いじゃん! 未来予知って奴? それがロクスリー君の特技なワケだね⁉」
ユリンさんがやんやの喝采を送ってくる。
「あ~…う…う~ん。まあ、説明が難しいから、もうそれで良いっス。」
うん。オイラの頭じゃ、これ以上の説明は不可。
まあ、大体のニュアンスは合っているから、これからもデッドループしかけたら、今までのミケさんみたいに、皆さんもオイラの言葉を聞いてくれるでしょう!




