第52話
……だったんだけど…。
「ミケ! 良い所で、すまんが、奴さんから暗号通信だ! ラフィンスカルとの交戦など直ぐに辞め、今直ぐにソルファージュに帰還し、急ぎ合流ポイントに向かい航行を始めよ。その後、直ぐに、シュタイガーンバオアー搭乗時のオマエのパイロットデータと、G搭乗時の感想をオマエの口で直に説明した返信の暗号通信を即時に送れ。更に、その後、シュタイガーンバオアーを、内部は弄らず、急ぎ外装を修理してから、ケビン、ユリン、マカロニの3名の、シュタイガーンバオアー搭乗時のパイロットデータも素早く取り、その3名のG搭乗時の感想を本人たちに直に説明させた通信と合わせ、暗号通信で、直近で送れ。だそうだ!」
ミケさんたちのGSの艦長さんっぽい人が、謎の要件を告げつつ、本当に、済まなそうに、目を伏せつつ、通信して来るッ⁉
「クッ……‼ 毎度、毎度、空気の読めん奴やッ‼」
そう言ってから、ザインさんのKGに向けていたトライバレルを下ろしッ‼
「うちらは急用ができた…。もうオマエら如きに構ってる暇が無くなった…。運が良かったなぁ……スナッチャーザイン? ここは見逃したる…。しっぽ撒いて、何処へ成りと逃げ…。」
トライバレルを下すどころか、ザインさんたちに背を向けるミケさんのタイニーダンサーッ⁉
「な……ッ⁉ て……テメェ…ッ⁉ オレたちに…とどめを刺さず見逃すってのか…ッ⁉」
いきなりの展開に、驚愕と悔しさの両方を混じらせ怒鳴るザインさんだが…。
「クソッ……アヴァドン…ッ‼ この屈辱は忘れねぇ…ッ‼ 覚えてろ…ッ‼」
恨みの籠った声でミケさんを睨みつけながら、
「野郎共…ッ‼ 撤収だ…ッ‼」
ラフィンスカルの部下の皆さんに命を下し、這う這うの体で退去して行く…。
ラフィンスカルの方々が逃げ去って……そして……。
「ふん…ッ! ここまでやってタダ働きやいうんやからな…ッ!」
ミケさんが、眉間にシワを寄せて苦言を吐くが、
「まあ、でも、姐さん。シュタイガーンバオアーは手に入ったんですしッ!」
ケビンさんが苦渋のミケさんに向けて、笑顔でそう言い、
「そうそう、それに、ファトス村の自警団のFGも、がっぽし頂いちゃったんだしさッ!」
ユリンさんも、ニコニコ笑顔をミケさんに向け、
「まあ、収支的にはプラスだと思いますよ、ミケさん?」
マカロニさんも、ニッコリ笑顔でミケさんに伺う。
「う~ん……まあ、そうやね! うん! ウジウジしてても始まらんし、良かったとこだけ評価しようかね! ありがとうな! みんな!」
ミケさんも、キュート過ぎるデラ笑顔で、皆さんに応えるッ‼