第45話
「え~い! KGが新たに3機も出たとはいえ、ここまで差し込んでおいて、手ぶらで帰れるか! こうなったら、ラーゼンレーヴェ共も、まとめて撃墜して、部分パーツを奪ってやる! 野郎共! こっちに向かって来るラーゼンレーヴェに集中攻撃! 一点に火力を集中させれば、オレたちラフィンスカルは、例え噂のラーゼンレーヴェだろうと、撃破できるって見せてやれ!」
急激な状況の悪化の中でも強気のザインさんが、部下の人たちに指示を飛ばす!
「了解だ、ボス!」
「ラーゼンレーヴェが何だってんだ! オレたちゃ泣く子も黙るラフィンスカルだぞ!」
ザインさんの掛け声で、ラフィンスカルの面々が、士気を高める。
「セリア! ソルファージュ、敵部隊に艦砲射撃! 3連装大型レーザーランチャー! 垂直、水平ミサイル、掃射!」
「了解! 艦砲射撃に入ります! 3連装レーザーランチャー、垂直、水平ミサイル、発射します!」
ミケさんに、おっさんと呼ばれた艦長さんが、黒のパンツを履き、白のクロースに、黒のジャケットを羽織った、栗色の髪で、胸上までの長さのロングの髪の、毛先にだけゆるくパーマを掛け、前髪は目の上で流した、フェミニンロングの、オペレーターっぽい女性に命じ、ソルファージュと呼ばれた戦艦から艦砲射撃がラフィンスカルの部隊に放たれる。
「あぁぁッ…! レーザーが掠った…ッ!」
「クッ……垂直と水平の2種類のミサイルが嫌なタイミングで…ッ!?」
「こ…こんなデカ物に…ッ!?」
ラーゼンレーヴェと呼ばれた青いGの俊足の攻撃に合わせて放たれたソルファージュからの弾幕が、ラフィンスカルの面々の、ラーゼンレーヴェからの回避地点に合わせて連撃で走り、あんな巨大な戦艦なのに、次々にラフィンスカルのメンバーさんたちを被弾させて行く!
「野郎共ッ! 戦艦の弾幕なんかに、そうそう当たるんじゃねぇッ! もっと注意して動けッ!」
「了解だ、ボス!」
「クッ…デカ物なんかは、オレたちラフィンスカルのKG撃墜ショーの賑やかしでもしてりゃいいんだよ!」
ザインさんの指令を聞き、ソルファージュの艦砲射撃を細心の注意で回避しつつ、部下の皆さんが、ギラ付いた目を、前面のラーゼンレーヴェに向ける。
「こ…このッ!」
「ちぃッ!」
ラフィンスカルの皆さんがラーゼンレーヴェを捉えて仕留めようとするが、凄まじい加速でスルスルと弾幕を躱し…!
「行くぜ、相棒! ラーゼンレーヴェ、突撃する!」
ラーゼンレーヴェが突撃する。
更に急激な加速を行い、レ-ザーガトリングガンと各種ミサイルを撃ちながら接近する!
「クッ…集弾率が高くて回避できねぇ! クッ…足が…ッ!」
ザインさんの部下のうちの一機のジーナの両足が瞬く間に潰され、堪らず脱出ポッドを起動させる。
「ガトリングガンは盾で防げ! 盾越しに反撃しろ! 火力を集中すればKGと言えど敵じゃねぇ!」
「了解だ、ボス!」
「やられっぱなしじゃねぇ事を教えてやる!」
ザインさんの指示を聞き、部下の方たちが、盾でレーザーガトリングガンを防ぎつつ、レーザーライフルやバズーカをラーゼンレーヴェに向かって掃射する。
「へっ…! おいでなすったな…ッ! だがな…ッ! アリーエルスラスターを起動中の、このラーゼンレーヴェに…ッ! 当てれると思うなよ…ッ!」
ケビンさんが、そう言ったかと思うと、ラーゼンレーヴェが更に爆ぜた!
ブンッ!と、機影がぶれたかと思うと、凄まじい速さで、撃たれたライフルやバズーカを回避して行く。
「な…何て速さだ…ッ⁉」
「ど…どういう機動性してやがんだ…ッ⁉」
ラフィンスカルの皆さんが戦々恐々とする。
「うろたえるな! ただ追加スラスターを全開に吹かして急加速を繰り返しているだけだ! あんな動きが長く持つかよ! アイツは強襲型で燃費が悪い! もっと弾幕を張って、アイツがEN切れになるまで踊らせろ!」
「へへ…。そういう事なら!」
「踊り疲れてヘバるまで付き合ってもらうぜ!」
ザインさんの指示に、ラフィンスカルの皆さんが、嫌らしい笑みを浮かべてラーゼンレーヴェにライフルやバズーカを、更に乱射するが…、
「ヘッ…そのくらいの弾幕の厚さがどうだってんだ! アリーエルスラスターを発動した、この相棒なら!」
ケビンさんのラーゼンレーヴェが、更に凄まじい急加速で攻撃を次々と回避して行き、弾幕を潜り抜けつつ、ガトリングと各種ミサイルを放射し、ザインさんたちのFGたちを圧倒する!
「こ…こんなッ⁉」
「く……クソぉッ‼」
次々に被弾して行くザインさんの部下の皆さんだけど。
「いくら機動性が高くても、たかがガトリングと、ミサイル程度じゃ決定力に欠けるんだよ! 野郎共! こんな程度の攻撃じゃ、ラフィンスカルは負けてやれねぇって事を教えてやれ! 盾でいなしつつ更に集中砲火だ!」
ザインさんが更なる檄を飛ばし、部下の方々が、盾越しに更なる集中砲火を掛ける!




