第44話
その時…、
『マスター。巨大な熱源反応接近。GSと思われます。その他に3機の熱源反応。うち1機が急激な速度で接近して来ます』
「え…ッ⁉ も…もしかしてッ⁉」
3機の、FGにしては見かけない、多分KGだと思われる機体たち。その中の1機、青いGが、凄まじい速さで追いついて来て、ザインさんたちのFGに向かって突撃しつつミサイルを撃ちながら、
「トロイメンカッツェの特攻隊長! ケビン=ブロッサム様のラーゼンレーヴェだ! 当たると痛ぇぞッ!」
と、叫びつつ、
KGの左肩に装備したパルスレーザーガン。
レーザーの偏向率を上げ、レーザーを拡散させて、その分、面あたりの命中率を上げたアリーエル粒子砲を超速度で放つ!
「な…なんだ…ッ⁉」
「は…速ぇぇ…ッ⁉」
「クッ…!」
「あぁ…ッ⁉」
「よ…避け切れねぇ…ッ⁉」
前面に出ていたザインさんの部下の方たちが、次々に被弾して行く!
更に、近づいて、両外腕部のレーザーガトリングガン!
レーザーライフルをガトリング状にして撃つ事で、速射性を高めた上で、威力も通常の実弾のガトリング砲よりも高いという武装を連射する‼
「うぁッ! ダメだ! やられた! 脱出する!」
「な…なんて速さだ…ッ⁉ つ…強ぇぇッ⁉ こ…こいつが噂のアヴァドンの懐刀のラーゼンレーヴェか⁉ こっちも脱出する!」
ケビンさんと名乗った人のラーゼンレーヴェとかいう青いKGの目にも止まらない連弾の攻撃で、ザインさんたちの部下のFGたちが次々に撃破されて行く。
「チッ…アレがトロイメンカッツェのラーゼンレーヴェ……。アヴァドンの仲間を合流させちまったか…ッ⁉」
「姐さん! 大丈夫ですか?」
青いKGに乗った、ちょっと背が低くくて、栗色の髪で、ショートの長さのウルフ型の髪型のショートウルフの、強気そうな瞳の少年がミケさんに声を掛ける。
「おい、ミケ! まだ生きてるか?」
GSから黒髪ショートのオールバックで、グレーのパンツを履き、黒のクロースの上に、グレーのジャケットを羽織っている、髭のカッコイイおじさんが通信してくる。
「おっさん! ケビン! ユリン! マカロニ! よう来てくれた!」
ミケさんが目を輝かせる。
「この人たちが、今度こそ、ミケさんの言っていた、お仲間さんなんスねッ⁉」
「そうや! うちの仲間たちや! 間に合ってくれた!」
ミケさんが誇らしげに言って来る。
「リーダー、そっちの一緒に戦っている二人は誰なの? うはッ! そっちのゲズの子、中々、良い線行ってるじゃない! その子を受けで、マカロニ攻めで、ご飯3杯行けそうよ! ねね、ねぇ! リーダー、その子、誰なの⁉」
3機のKGの中の、赤と黒のカラーリングの機体に乗った、赤毛でショートの長さで、ナチュラルに耳に髪をかけ目元で流したナチュラル耳かけショートで、白のパンツと、黒のクロースの上に、赤いパーカーを着ているモデルみたいに綺麗な女性が、鼻息も荒く、何だか良く分からない事を言いつつ聞いて来る。
何を言っているのか分らないけど、何故か背筋に寒気がして、ちょっと身震いしちゃう!
「コラ、ユリン! 戦闘時にオマエの持病は出すな言うとるやろ! こっちのゲズの子はロクスリー君。あの伝説のTHのリィト=ロクスリーの息子で、このシュタイガーンバオアーを強奪する時に仲間になったんや。ザヌスの方は、多分、あのアライン流のG剣術士の、白の魔剣士レナス=アライン……。やと思うんやけど、さっき会ったばっかりで、まだ、うちにも詳しくは分らんねんな。」
「っと、まだ長話をしていられる場面では無いですよ? 話の続きは後で、今は、スナッチャーザインの部隊の、ラフィンスカルを抑えましょう。」
こげ茶と赤茶の2トンカラーの、ザヌスより更に重装甲そうなKGに乗った、黒髪の短髪でメガネの落ち着いた雰囲気で、メガネが知的さを醸し出している好青年という風貌のお兄さんが、メガネを中指でクイッと上げながら言って来る。
「了解や! ケビン! うちがソルファージュに帰還するまで、前面に出てザインの部隊を叩いてや! ユリン! うちがソルファージュに帰還するまで護衛! マカロニは、遠距離から射撃で遊撃! おっさん! ソルファージュの艦砲射撃、ザインたちの部隊に向けて掃射! ロクスリー君は、Gに慣れてへんみたいやから、うちと一緒にソルファージュに帰還! ザヌスの兄ちゃんも、うちらの護衛を頼むで!」
テキパキと指示を出すミケさんに、
「了解だ、姐さん!」
「OKよ、リーダー。」
「分りました、ミケさん。」
「了解だ、ミケ!」
3機のKGのパイロットさんたちとGSの艦長さんっぽいオジサンが口々に言う。
「承りました、お嬢様。この身はアナタを護る盾となりましょう。」
ザヌスの人も言って来る。
「こっちもOKっスよ! オイラじゃ足手まといっスから、急いでGSに退避するっス!」
「良し、ほんなら、各機、状況開始!」
『了解ッ!』
全員の声がハモる。