第42話
「では、こちらも行くぞ?」
ザヌスの人がレーザーセイバーを……。
「張白刃……!」
何か、ザヌスの人が言って…振るう…。
けど、明らかに間合いの外でブンブン振るって…⁉
って……アレ…ッ⁉
「ど…どうなっている…⁉ 何で攻撃が届くんだ⁉」
ザインさんの部下のガトナスの人が驚愕の声を上げる。
いや、オイラも驚いている。
だって、明らかに間合いの外から放ったはずの斬撃で、ガトナスの左腕が切り離されているんだもん!
ど…どうなってんのッ⁉
「気を抜くな。まだ終わりではないぞ?」
ザヌスの人の連斬でガトナスの左腕に続いて右腕も切り落とされる。
「ひぃッ⁉ ガトナスの腕が! オレのガトナスの両腕がぁぁぁッ⁉」
「貴様は見飽きた。早々に去れ。」
ザヌスの人が瞬く間にガトナスの胴体を真っ二つにする。
「ひっ⁉ ひぃーッ⁉」
ガトナスの操者が悲鳴を上げながら脱出ポッドで逃げる。
「な…なんだ…今の⁉」
「こ…コイツ…普通じゃねぇッ⁉」
ザインさんの部下の皆さんが戦々恐々とする。
「え~い! そんな鈍重機体1機に何をやっている⁉ どけ! オレが直々に相手をしてやる!」
部下たちが一方的にやられるのを見て、堪らなくなったザインさんが、ザヌスの人の方に突撃して行く。
「来い。下賤な下男程度では私は倒せんと示してやろう。」
ザヌスの人が、クイクイっと右手で仰ぐ。
「野郎! 舐めやがって! このオレ様と、このKGのブッサルトを相手に、そんな余裕が続くと思うなよ⁉」
ザインさんのブッサルトとかいうKGが、手に持ったレーザーバズーカ…レーザーライフルを大口径にした射撃兵器を乱射しながら、肩の実弾のロケットランチャーも連発しつつ近づく。
それを、ザヌスが、相変わらず明らかに当たったはずなのに、何故か全弾回避。
「クッ…なんだコイツ⁉ 動きがどこかオカシイぞッ⁉」
ザインさんが驚愕の声を上げる。
実際に対峙して、ザヌスの人の異常性に気付いた様子。
「クッ…だが、格闘戦に持ち込めばザヌスごとき!」
ザインさんのブッサルトが、ザヌスに向かってレーザーソードを振るう。
しかし、ザヌスに当たったはずのその斬撃は、すり抜けている様に、何故か当たってない!
「ど…どういう事だ? 何故、当たったはずなのに当たっていない⁉」
驚きに目を見開くザインさん。
「貴様は、今までの下男共よりは、多少はできる様だが、所詮は男だな。間合いが甘い。」
淡々と述べるザヌスの人。
そして、相変わらず、ブレる様な軌道の斬撃を放って…ッ⁉
「クッ…なんだッ⁉ 動きが妙だぞ…ッ⁉」
更に、あの間合いの外からの…剣戟も振るう…ッ‼
「その上、剣筋が伸びて来る斬撃も放つだとッ⁉」
ザヌスの人の剣戟を、ザインさんのブッサルトが、ギリギリで盾を構えていなす。
あ…あの剣戟、剣筋が伸びていたのか⁉
で…でも…どうやって伸びているんだ⁉