第37話
林の茂みに身を潜め、ザインの部下たちを迎える。
「ロクスリー君! 当たらんで良い、とにかく相手の足止めや! 近づかさん様に弾幕を張り! うちも行く!」
そう叫ぶなり、ミケさんはシュタイガーンバオアーのレーザーライフルを乱射する。
「了解っス!」
オイラも、ゲズのバズーカをザインさんの部下たちに向かって乱射! オイラの腕じゃ当たりはしないけど、オイラだって、足止めくらい!
「フッ…フフフ…ハハハ…ッ!」
奥の方で、急にザインさんが大爆笑し始める。
「何や? スナッチャーザイン? 気でも触れたか?」
ミケさんがザインさんを睨みつける。
「いや、なに、嬉しくてねぇ。オマエたちがオレの仕掛けにマンマと掛ったのが嬉しくてねぇッ!」
そうザインさんが言ったかと思うと、
「ヒャハハ! KGの後ろを取ったぜ!」
「特別報酬はオレのモノだ!」
ザインさんの部下たちが、オイラたちの後ろからも現れて、完全に四方を囲まれる⁉
「なっ⁉」
ミケさんが驚愕の表情を見せる。
「ど…どうなってんスか、ミケさん⁉」
「クッ…マンマと、この場所に誘い出されてもうた! うちらがセオリー通り、林を遮蔽物に籠城すると踏んで、うちらがここに来たら囲める様に部隊を展開しとったんや!」
ミケさんが苦しそうに言う。
「フフフ…ハハハッ! その通り! だが、まだあるんだぜ?」
ザインさんが笑いながらも目をギラつかせる!
すると、林の上からネットが落ちて来るッ⁉
「ウガッ…マジで⁉ 今日、2回目なんだけどッ⁉」
スタンネット! まさかのスタンネット!
絡みついたネットが電気を流し、ゲズとシュタイガーンバオアーのジェネレーターを麻痺させる!
「クッ…ネットまで仕掛けてたやなんて…⁉」
ミケさんが悔しそうに嗚咽を漏らす。
「へへへ…KGも~らい!」
ザインの部下が近寄って来て、なされるがままにミケさんのシュタイガーンバオアーが運ばれる。
「コイツどうする?」
オイラのゲズをザインさんの部下の皆さんが間近に囲む。
「ゲズなんか二束三文にしかなんねぇーし、バラしゃ良いんじゃね?」
「へへ…じゃあ、オレやる! オレやる! 一度、パイロットごと、Gを撃墜って、やってみたかったんだよな! へへへッ!」
ザインさんの部下の皆さんが下卑た笑いを浮かべる。
「ちょっ⁉ ま…タンマ…⁉ ミ…ミケさん…! 助け…」
そこで、全身に衝撃を感じた。
ザインさんの部下の一人のゲズが、オイラのゲズのコックピットに向けてバズーカを直撃させた衝撃が、全身を貫いたんだ!