第3話
惑星ティアナは、その宇宙基地着弾の時に巻き上がって成層圏に広がった土砂のせいで、15年前の終戦直後からオイラが物心付く前、オイラが3歳くらいの時までは、寒冷化して人が住むには厳しい環境になっていたのだとか。
まあ、オイラは戦後に生まれたから戦争なんて全然わかんないんだけどね。
そして昔は、そんなに寒かったのかどうかも覚えてないっていうね。
そんな寒冷化した中で、食料も、どう確保していたかも分からないしね。
最近の農作物とかは寒冷地用に品種改良されたとかは一応聞くから、昔は苦労したのかもだけどね。
で、オイラの思い出せる範囲……オイラが物心付いた5歳くらいの時には、オイラの認識できる範囲では、かなり外気も安定して来て、少し肌寒いけど、ビニールハウスとかなら十分に野菜や果物が育つくらいになっていたはず。
で、この星を照らす恒星のソルシエル。
その光の、ソルシエル光が普通に降り注ぐくらい成層圏の土砂は減ったっぽいんだけどね。
だって、今、普通に田畑のモノが育っているのが見えるし、家畜たちも普通に放牧されているし、人々も平気で生活しているしね。
でも、父さんや周りの人たちの話と様子から、どうも現在は、街と言えるくらい大きなところは滅多になくて、町くらいのところが結構あって、オイラのとこのファトス村みたいな田舎は、ポツポツとあって、邨くらいまでいくと逆にそれも滅多にないらしくて、先にいった通り、100億を誇った人類は1000万くらいに減って、人類は滅亡しかけとの事。
それも、復興の兆しはあるも、100億人を誇っていたくらい人類がこの星を謳歌していたくらい昔ほどの生活水準に戻るのは何とも厳しい状況らしい。
過去に文明が発達していた時の先端技術を司っていたティアナ統合首都に宇宙基地が落ちてきて過去の文明のデータと職人や設備そのものが物理的に消えて復興不可能っていうね。