第26話
「待てったら待てぇーッ!」
自警団の先発隊の方々も相変わらず通信しつつ追い掛けて来る。
「だから、待てと言われて待つアホが居るかいッ‼」
シュタイガーンバオアーと、それを追っていたFGたちが再度追いかけっこを始める。
「ダジルさん、こっちも追いかけるんスよッ!」
「分かったから、オマエは退けッ! 起き上がる邪魔なんだよッ!」
「わかってるっスよ!」
すったもんだしながら、もそもそと起き上がるオイラたちのゾンドとゲズ。
しかし、そうこうしてる内に、急にシュタガーンバオアーが振り返り止まり…。
「よし、そろそろやな! オイ、オマエら! 相手になったるから全員で来い! 全機、まとめて相手にしたるわ!」
「ふざけた事を! KGとはいえ、1機で、この数を相手に出来るかよ!」
何だか話が勝手に進んでいる模様。
まあ、シュタイガーンバオアーが止まってくれる分には、足の遅い、このゾンドで追いかける分には、凄く助かるワケだけど。
「おう、ダジルとロクスリーも来られたのか! あのふざけた奴を一気に囲むぞ!」
自警団の人たちも、ようやく、こっちにも目が行ってくれた模様。
てか、あれだけの爆風で、いきなり飛び出したのに、やっと声が掛かるところに、自警団の人たちが、どれだけ、あのシュタイガーンバオアーとかいうKGを追うのに必死だったかが窺えはする。
「ロクスリーやとッ⁉ でも、リィト=ロクスリーは、亡くなっとるはずやし、40近くのはずやッ⁉ リィト=ロクスリーの息子か何かかッ⁉ でも、この自警団の連中と同じで、きっと、大したことないんやろッ!」
何か、散々に言われているけど事実だから仕方ない。
てか、こんなTSの人にも詳細が伝わってるなんて、父さんって、凄くどころか、ホントに途轍もなく有名人だったのね。
身近過ぎて感覚麻痺してたっぽいね。
しかし、あのまま、シュタイガーンバオアーと自警団の人たちのFGで追いかけっこをされ続けられたらぶっちゃけ、どうしようと思っていたところなので、状況は良く分からないけど、ある意味助かるところ。