第22話
『マスター、パスワードの入力の時点で、扉のロック自体は外れています。後はドアノブを回すだけで開きます。』
「うん? さっき38、この扉のロックも特殊って言っていたけど、さっきのスライドしたのは特殊だった気がするけど、この扉のロックを開けるの自体は、あんまし特殊な動作をしていないんじゃないの?」
『普通の人が、この認証画面にたどり着けても、リィトというパスワードを認証キーと見抜くのは困難であると指摘します。』
「あ~。まあ、なるほどね。」
「何でも良いから早く行こうぜ!」
ダジルさんに急かされる。
「っスね、とにかくオープン・ザ・ドアって事で。」
ドアノブを回す。
おお、今度は普通に回るぞ!
ドアが、ちゃんと開いた‼
てか、こんな認証キーとか使うなら、ドアノブを回すとかのアナクロな開け方じゃなくて自動シャッターの様に勝手に開閉したら良いのにねとは思う。
まあ、そこはそういうモノだから仕方ないんだろうと思ってみるけど。
「ダジルさん連結して先行して下さいな。連結してもらって、そっちに引っ張ってもらった方が楽なんで。」
「おうよ!」
ダジルさんのゲズの後ろ手を、うちのゾンドが握る感じで連結する。
これで、ライドブレードのお陰もあり、移動も牽引でスムーズっていうね。
そして、ダジルさんに先行してもらって地下道に入る。
下りの坂道になっていて、下方の奥の方は、かなり広い空間が広がっている。
おお! 地下広いな!
『なお、この扉は開閉後に誰かが通ると、自動的に爆破されるように前マスターがセットしてありますので、ご了承下さい。』
「またまた~。流石に、そんな破天荒な事は……」
チュドーン! ボカン! バカン! ドカン!
後ろのさっき通ったドアから爆音と爆風がこちらに迫る。
「本当なのッ⁉」
『本当です。』
無情にも38が答える。そして、本当に起こり迫り来る爆発たち。
「うぉいッ⁉ ロクスリーッ⁉」
ダジルさんが叫ぶも後ろから爆風に吹かれてダジルさんのゲズ諸共にオイラのゾンドもふっ飛ばされる。
ある意味こっちも叫びたいッ!
なんでやねんねんねんねんねんと!
思わずドップラー効果も出るわなと!
忘れていた。
THとかやっていたくらいだから、父さんは、かなりの破天荒な人だった事を。