第175話
「こ…こんな……こんな…ッ⁉ クズのロクスリーが、本当は強かったというのかッ⁉ クズ機体のシュタイガーンバオアーのバグプログラムが急に正常起動したとでもッ⁉ マイナスとマイナスを、足し算じゃなく、掛け算したとでも言うのかッ⁉ これじゃ、出来の悪い演劇の、ご都合主義の機械仕掛けの神じゃないかッ⁉ こんなクズにッ‼ こんなクズにッッ‼ こんなクズにィィィーーッッ‼」
頭部はバルカンで潰され、右肩のアクセラレートレーザーキャノンは、PBLHで、握り潰され、CGモードへの変形が不能、その上、全身は、ミサイルとレーザーライフルで、ボロカスに被弾してボロボロという理不尽な展開に、大きく吠えるシュメル!
そのシュメルに!
「行くぞ、シュメル! これが、ミケさんたちを欺いた報いだ!」
ライフルを右腰に置き、左腰からバトルアックスを抜き、一気にダッシュで近付き、バトルアックスで、股間部から空中に、下から打ち上げる!
落ちて来るグラオザームリヒターに、背部ミサイルを在るだけ全弾撃ち込み!
バトルアックスを左腰に直しつつ、右腰からライフルを抜き、レーザーライフルを撃てるだけ撃って、グラオザームリヒターの腹部に大きく傷を付け!
最後の一発をチャージしながら、頭部バルカンを繋ぎで撃ち!
更に腹部の傷を広げ!
「喰らえッ‼ オイラの全身全霊の一撃…ッ‼」
降って来たグラオザームリヒターの、今広げた腹部の傷口に、チャージしたレーザーライフルの銃口を突っ込み!
「これが…ッ!」
0距離射撃どころか!
「オイラの…ッ!」
相手の機体の内部! マイナス距離での‼
「ラストシューティングだ…ッ‼」
渾身の、レーザーライフルのチャージショットの、マイナス距離射撃…ッ‼
「吹き飛べ…ッ‼」
トライバレルの様にワイドショットになるのではなく、強烈なパワーショットになった一撃が、グラオザームリヒターの腹部を内部から貫き、貫通する…ッ‼
「そ…そんなバカなァァァーーッ⁉」
腹部に大穴を空け、全身ボロッカスに被弾した中、胸部脱出ポッドが自動的に起動し、脱出しながらも、理不尽な展開に吠えるシュメル!




