第174話
「クッ…! こ…この! 奇術師野郎が!」
どうしても、まだ引き下がれないザインさんがッ!
「クソ…ッ‼ アヴァドン…ッ‼」
最後の意地とばかりに、タイニーダンサーに向かって、ブースターを噴かせてジャンプし、レーザーソードを振るうッ!
「なら! レーザーソードで!」
トライバレルのレーザーソードで、ザインさんのレーザーソードを、ミケさんが斬り払うッ!
「ほんなら、そろそろトドメや!」
タイニーダンサーが、トライバレルを左腰部にマウントし、
「フランメ! 二刀流や!」
タイニーダンサーの内腕部から、短剣の柄だけのモノ、短剣型レーザーセイバーのフランメを、左右で1本ずつ出し、両手に1本ずつ握る。
「必殺! 剣の舞や!」
タイニーダンサーが、短剣の柄を両手にそれぞれ逆手に持ち、機体の両腰の位置に添えて、上下左右の位置を時計で言うと、中空の2時の方角より突撃し、反時計回りに回りつつ、下方8時の方角に右手で横周りに斬る!
「ほうらッ!」
更に、地上に降りてステップを踏み、フランメを両腰に添えた逆手持ちのままで、踊る様に回転して、前後左右の奥行の位置を分度器で言うと、左手で90度の方角を過ぎ、ブッサルトの真正面の0度の方角も過ぎ、330度の方角くらいまで横周りに斬る!
「そらそらぁーッ‼」
今度は回転方向を反対に変えて、左腰に添えた左の逆手に構えたフランメで、330度の方角から、斬った方向を戻り、時計回りに回りつつ、再度、ブッサルトの真正面の0度の方角を過ぎて斬り!
「これが…ッ!」
更に踊る様に回転して斬っている途中で、右手のフランメを腰に添えるのを辞め、右手をブッサルトの8時の方角に持って行き!
ブッサルトを真正面の0度の方角に見据える位置まで回転し、そこから左手のフランメも腰に添えるのを辞め、下に潜らせる様に、時計で言うと6時の方角に回し、更に3時の方角…右方向に回して、右中央に配置し!
「ホンマの…ッ!」
そこから右手を逆手のまま、8時の方角から2時の方角……左下から右上に、斬り上げ!
同時に、左手も逆手のままで、3時の方角から9時の方角……右中央から左中央に、斬るッ!
剣の舞のフランメの連撃で、ブッサルトの身体が、大ダメージに悲鳴を上げる様によろけッ‼
「ドヤ顔や…ッ‼」
最後に、上方から、逆手のまま両手で、下方に×の字に斬り抜く!
そして、その斬撃の嵐の後に、ドヤッ!と言わんばかりに、決まったという顔をする‼
「こんな…こんな事でぇぇぇーッ‼」
ザインさんのブッサルトが、バラバラに分解され、脱出ポッドが起動し、脱出ポッドが射出される。




