第17話
自警団のG倉庫に到着。
途中で跨いだ防壁の余りの意味のなさに悲しくなるね。
WGで跨げるものを増築してどうすんだろね、自警団たち。
まあ、それが金になる仕事になるなら、オイラ的には良いんだけど。
「おッ⁉ リィトさんとこの子ッ! 大変だッ! 何か自警団の奴らが転げまわっているんだッ!」
いきなり、オイラのゾンドと同じ様なゾンドに乗った、工事社の方っぽい、オイラより少し年上っぽい男の人からの通信で、何か素っ頓狂な声が掛かる。
「ハッ⁉ いきなり何んスか、一体ッ⁉」
と、そこで。
『マスター、左舷から熱源。こちら側に突っ込んで来ます。』
「あんですとッ⁉」
とにかく回避運動に己が操縦の全力を傾けてみる。ゾンドのメインスラスターを吹かして地面を蹴らせて思いっきり後ろに飛び退く。
ギリギリで、何とかスレスレで擦れ違う。
だけど、オイラのゾンドが飛び退いたせいで、迫って来た機体が工事社の人のゾンドにぶつかり、蹴り上げられた感じで工事社の人のゾンドが吹っ飛ばされて横転する。
アレは見た感じ、中の人は気絶しているかもだね。
それをした相手は、微かに見えた感じではジーナやゲズなどではない感じ。
ジーナに似た赤と白の2トンだけど二足歩行二腕でゴーグル。
カラーリングはジーナに凄く似ていて、見た感じの武装も、頭部にバルカンと、左右の側腰部にレーザーアックスとレーザーライフル、あとは背部に、発射すると垂直に上昇し、そこから敵に向かって斜め下に誘導して降り注ぐ、垂直ミサイルという装備と、盾のみという、この世界のFGの装備としては非常に一般的な装備。
それくらいという平凡そうな外見で、一見FGっぽいけど、村で今まで見た事が無い機体だし、父さんが『ゴーグル付きはエース用高性能機のKGが多い。』と言っていたってのもあるし、恐らく自警団がTHから買い取ったというKGの模様。
あちゃ~……。
当たらなくて良かったけどミハエルさんの読み通りになっちゃったか……。
そして、防壁、簡単に突破されているじゃんっていう……。
本気で意味ないのね、この自警団G倉庫周辺の防壁……。