第156話
救急室からセリアが現れた。
疲れた身振りながら、落ち着いた眼差しをし、
「安静状態に入りました。」
と、皆に話し掛けて来た。
『ありがとうございます、セリアさん‼ よ…良かったです…‼』
もう、他の言葉など無いと言わんばかりに、大きく喜ぶ38と。
「野郎、勝手にくたばるのだけは、何とか回避できやがったか…。」
心底、これが回避できて良かったという身振りで呟くケビン。
「もう、素直じゃないなケビンは。ロクスリー君が無事で嬉しいなら、38ちゃんみたく、素直に、そう言えば良いのに。」
と、核心を突いてユリンが話すが、
「違うっての! 勝手にくたばられちゃ寝覚め悪りぃからだよ!」
尚も、典型的で分かり易いツンデレ具合を見せるケビン。
「ケビンのツンデレ具合、きっと、世の、お姉様方に、ご飯3杯や5杯どころか、10杯くらいの熱狂的な人気になるよ!」
自信たっぷりに、そう、笑顔で、のたまうユリン。
「いらねぇっての! そんなの!」
テメェみたいなのばっかりに好かれてたまるかと、ユリンの近くから身を避け、付近から身を離すケビン。
そのユリンとケビンを尻目に、
「でも、ロクスリー君が無事で居てくれて、ホンマ良かった…。」
ロクスリーの無事に、心底ホッとしたと言わんばかりの大きな安堵を見せるミケ。
そこに、艦の修繕作業を任せていたマカロニが顔を出す。
「ふぅ…。相変わらず、完全に修理するには部品が足りませんが、部品が無くても直せる所は修理して来ました。」
直せない所があった割に明るい口調で話して来るマカロニ。
そのマカロニに、
「おお! 助かるで、マカロニ!」
大喜びで、ミケが声を掛ける。
「と言っても、エンジン系の部品が、丸で足りず、非常用エンジンすら動かず、航行不能です。戦闘は、まず無理ですね。」
口調は、先ほどの明るい口調のままだが、少し表情が翳るマカロニ。
「部品が無い中で、ここまで出来たら充分だよ! 後は、ザインやシュメルたちを迎撃する番だね!」
リッドの、その言葉に、皆が頷く。




