第140話
そして……。
何とか、ソルファージュのGデッキに、腹部を被弾したタイニーダンサーを伴って、オイラは帰還した……。
そのタイニーダンサーの損傷を見て、
「り…リーダーッ⁉」
「み…ミケさんッ⁉ だ…大丈夫なのですかッ⁉」
ソルファージュ内で待機していたらしいユリンさんとマカロニさんが、驚愕の声を上げる。
「姐さんッ⁉ 大丈夫ですかッ⁉」
ケビンさんが、気遣わしげに聞く。
「ミケさん! 直ぐに医務室に行きましょう! 一人で降りられないなら、オイラが負ぶってセリアさんに見せます!」
オイラがミケさんに、そう声を掛けると、
「うぅ…まだ眩暈…するけど…大丈夫や…。心配せんでも…一人で降りられる…。」
弱々しい声音で、そう告げて来た。
全然、大丈夫じゃないじゃないかッ⁉
「み…ミケさん‼ ミケさんッ‼ 申し訳…ないっス…。オイラ……オイラ…ッ‼」
余りの申し訳なさに、思わず、言葉が詰まるオイラ…。
「気に…せんで…ええ…。」
ミケさんが、声も絶え絶えに、でも、オイラを気遣って、声を掛けてくれる。
でも、その姿は、余りにも痛々しい。
それから、直ぐに、医務室に向かい、セリアさんに、ミケさんを見て貰い…。
「リーダーの言う様に、脳震盪ですね…。外傷はありません。ただ、リーダーが言う程、軽くはなく、今日1日は、この医務室で安静にしてもらいます。」
セリアさんが、そう診断した…。
「てめぇ、ロクスリー! ふざけんなよッ! 危機探知能力とかがあるんじゃなかったのかよ⁉ 旨い話に釣られて、ひょこひょこ出て行きやがって! 姐さんを、こんな目に合わせやがって! 何が危機探知能力だッ! オレは、ぜってぇ許さねぇからなッ!」
ケビンさんが、激情のまま、怒鳴りつけて来る。
何も言い返せない…。
オイラは…。本当に、今回ばかりは、丸で言い訳ができない…。




