第135話
『マスター。Gは発見できたのですから、直ぐにミケさんに報告をして下さい。』
「何言ってるの、38! せっかく見つけたんだから、ガスさんの言っていた通り、何か1機、ミケさんに内緒で、お土産で、持ってっちゃうんだよ! よし、あのガトナスにしよう!」
オイラの操縦で、ゲズC²が、手近なガトナスに触れると、
ビー。ビー。ビー。
アラート音が鳴り出したッ⁉
「何⁉ 何なの⁉ このヤバ気なアラート音はッ⁉」
オイラが戦々恐々としていると、
『マスター、Gデッキ下方から、多数の熱源反応接近。』
Gデッキの周辺のところどころの地面が開き、縦型ハンガーで、多数のGにしては骨ばった機体たちが現れるッ⁉
「うぇッ⁉ 何なのッ⁉」
『この基地のGを守るスプリガンだと思われます。』
スプリガンッ⁉
父さんから聞いた事がある。
基地跡のGデッキは、稀に、スプリガンというG強奪者を排除する事を目的とした警備ロボが守護している事があると。
過去の時代には、今の時代以上にGの強奪者であるTSが横行していたとかで、スプリガンは、その頃に建てられたG基地などに常設で配備されている事が多いんだそうだ。
で、スプリガンには、色々なバリエーションがあるみたいだけど、共通している事は、無人のAI稼動であり、防御行動や回避行動を取るという考えを排除し、各々のスプリガンの得意距離での攻撃に特化させ、他を排除して徹底的にローコストで作られており、捨て駒として人海戦術で運用する事を前提として作られ使われている、という事。
だから、トレジャーとしての価値が低いし、人間が運用するのにも向かないから、THたちからすれば邪魔者以外の何者でもないんだって……。
って事は…つまり……、
『マスター! スプリガンが、特攻して来ます!』
もちろん、こうなるよねッ⁉
「マヂでッ⁉」
ちょっ、マジ勘弁なんだけどッ⁉




