第133話
「兄ちゃん、焦るなって、ここからが本番なんだよ。」
ガスさんが、笑い顔ながら、目だけ鋭い感じで、続ける。
「その地下道の入り口な、最近、この町に、地震があって、その余波で、現れたみたいなんだよな! で、今まで、そんなとこは、見つからなかったし、余りに町から近いから、町のTHたちも、まさか、そんなご近所に、そんな穴場があるなんて、気付いてねぇんだよな! アンタら、運が良いぜ! オレ、さっき、ちょっと、町のパブでのポーカーで、大勝してな! 懐が温かくて気分が良いから、この情報を、無料で誰かに流してやろうって思っていたとこなんだよ! アンタらがこの情報聞いた1番最初のラッキーマンって事だ! 他の奴らに見つかる前に、G基地跡のGデッキに眠ったGたちを、たんまり頂いて、ガッポリ稼いじゃいな!」
マジでッ⁉
それって、そんな凄い状態なら、オイラ! オイラッ!
「マジっスか⁉ そのG基地跡のGデッキに眠っているGを全部手に入れたら、オイラでも、幻のシャケ弁を貰えるっスかねッ⁉」
意気込んで聞くオイラ!
だって、この情報が正しければ、オイラ、Gを大量に発掘して! ミケさんに褒めて頂いて! 幻のシャケ弁が、ぐっと近づくんじゃないのッ!?
「余裕、余裕! アンタらのリーダーも、Gをガッポリ手に入れれば、喜んで、最高の報酬を出してくれるって! Gを見つけたら、リーダーに内緒で土産で、1機、持って行っちゃいなよ! その方がリーダーも喜ぶって! って事で、早く行っちゃいな、兄ちゃん!」
ガスさんが、また、笑い顔で、言って来る。
これは……これは……ッ⁉
これはチャンス!
このチャンスを見逃すワケには行かない!
オイラは、幻のシャケ弁を、是が非でも味わいたいんだ!
もう、ノリ弁だけの生活は嫌なの!
「ガスさん、ありがとうっス! オイラ、さっそく行って来るっス!」
オイラが意気込んでそう言うと、
「ロクスリーさん! そんな上手い話が……」
トニーさんが、言い終わる前に、
「兄ちゃん! 早く行かないと、他の奴らに、先にGを発掘されちゃうぜ? チームのリーダーには、内緒でな。サプライズで驚かした方が、報酬も良いのがでると思うしさ!」
ガスさんが、笑顔で、アドバイスをくれる!
「よし! やってやる! やってやるっス! オイラはノリ弁の呪いから解放されるんだッ!」
「ちょッ…⁉ ロクスリーさん!」
トニーさんが、なおも何か言っているけど、気にしな~い。
超ダッシュで、ゲズC²に乗り込み、出撃! 速攻で、ガスさんの言っていた、町の北東の、旧市街地のG基地跡への地下通路を探し出す!
『マスター。この選択で、本当に良いのですか? この選択は、いつにも増して無謀だと進言します。』
「良いの! オイラは、もうノリ弁だけの生活は嫌なのッ! 絶対に、Gを大量発掘して、幻のシャケ弁を頂いちゃうのッ! つべこべ言わず、38も地下通路、探すの!」
『マスターの横暴さは、酷すぎると判断します。ですが、仕方ありませんね。』
何とか、38を説得完了。




