第130話
「まあ、ラフィンスカル絡みや、フェアタイディゲン絡みのイザコザも終わりましたし、後は、ゆっくりと、次の目的地のポートティリアで、強奪したFGの売買、生活用品の補充ですね。」
マカロニさんが、中指でクイッとメガネを上げながら、そう告げる。
「でも、ミケさんはアヴァドンって呼ばれる程の超有名TSで、うちは、そのミケさんに率いられてる極悪TSチームって世間で認識されてるそうですし、そのポートティリアって町に行って、捕まったりしません?」
「それは無いんじゃないかな? ポートティリアは、TSすらも受け入れる代わりに、荒事は、ご法度の中立が売りの町で、どこのTSも、あそこには敢えて手出ししてないって話だしね。」
「おお! それ良いっすね! じゃあ、思う存分、羽が伸ばせますね!」
オイラが、ユリンさんの説明に、嬉々として答えると、
「羽を伸ばす前に、ロクスリー君とトニー君には、ちょっと仕事をしてもらうんやけどね!」
Gデッキから帰ってきたミケさんが、そう告げた。
「仕事っスか? 荒事は勘弁っスよッ⁉」
今までの、このトロイメンカッツェの荒事の連続の日々を反芻しつつ、戦々恐々と聞くと、
「ないない。ポートティリアは、荒事は、ご法度の中立地帯って言ったでしょ?」
と、ユリンさんが、被りを振りつつ言う。
「ロクスリー君とトニー君にしてもらうのは、日用品の買出しや! 出来るだけ頑張って値切って来て貰うからな!」
「値切り……っスか…?」
予想外の言葉に、言いよどむオイラ。
「う…う~ん…値切りなんてやった事ないですけど、頑張ります!」
と、トニーさんが、健気に言う。
「ま、トロイメンカッツェに入ったからには、値切りは必須スキルだからな! 頑張ってくれよ、兄弟たち!」
ケビンさんが、ニッコリ笑顔で、激を飛ばす。
と、そこで、
「リーダー、ポートティリアに着きました。」
と、セリアさんが到着の報を告げる。
「よし、ほな、うちらは、Gを売ってくるから、ロクスリー君とトニー君は、このメモの通り、日用品の買出し頼むで。荷が多いから、ゲズC²とアウスブレンデンで、運んでな! で、渡す資金内で、何とか収め! 資金が余る様やたら、駄賃やと思って、どこかでお茶とか貰って来てもええからね。ほな、トロイメンカッツェ、行動開始!」
ミケさんの、指示で、オイラたちは、ソルファージュから出発した。




