第126話
その時、
「リーダー! 3時の方角に、未知の機体反応多数! その数……50ッ⁉ ロクスリー君の言っていた、新統合の部隊の模様ですッ‼」
新統合の反応に、セリアさんが、緊迫の声を上げた!
「凄い…ロクスリーさんの言った通りになりましたね!」
「マジかよッ⁉ ロクスリー、オマエ、エスパーか何かかッ⁉」
「ほ…ホントになるなんて⁉ ユリンちゃんビックリッ⁉」
「ボクがカスタマイズしたとはいえ、ゲズC²に、そこまでの索敵能力はないはずなのですが、いやはや、これは凄いですね。」
口々に驚きの声を上げる皆さん。
「いや、そういう話は、後で良いんで! リッドさん! 全速で逃げて下さい!」
「了解、ロクスリー君! ソルファージュ、全速前進!」
ソルファージュが、一際大きな振動を起こす程に加速する!
「新統合の反応ロスト。索敵圏外に脱出できた模様。」
セリアさんがホッとした声で、報告して来る。
「た…助かった……。」
緊張の糸が解け、脱力するオイラ。
そのオイラに向かって、
「すげぇ! すげぇよ、兄弟!」
「ロクスリー君、どうしてこうなるって分ったのッ⁉」
「とても興味深いですね。」
皆さんが、興味津々という顔で、モニター越しのオイラをマジマジと見てくる。
「えと……説明が難しいんスけど……」
と、オイラがしどろもどろになっていると。
「ロクスリー君、前も、説明が難しいって悩んどったけど、うちの見立てやと、ロクスリー君には、危険が迫った時に危険を探知できる、危機探知能力みたいなモンがあるんかもやね!」
と、ミケさんが、締めくくる。
「危機探知能力! すげぇじゃん、兄弟!」
「いつも、逃げ腰なイメージだったけど、こんな特技があったんだね!」
「凄いです、ロクスリーさん!」
「非常に興味深い。是非、G工学に応用できないか試してみたいところですね。」
皆さんが、やんやの喝采を上げてくる。
「う~ん……そういうのとは違う気がするんスけど、もうそれで良いっスよ。」
とりあえず、説明は諦めたけど、皆さんからの余りの褒められ様に、慣れてない為に、気恥ずかしくなって、鼻の下をポリポリ掻くオイラ。
『マスター。私は、マスターを信じていましたよ。ユリンさんや、皆さんも、今回のことで、マスターが、ここぞという時には、ウソを言わない方だと、分かって下さったと思います。』
「38……。悪ぃ! ありがと!」
中空に浮かぶ38の3Dアバターの頭部を、触れられない事を分かった上で、撫でてやる。
すると、本当に触れたワケでもないけど、38のアバターが、気持ち良さそうに目を伏せた。
「うんうん。ロクスリー君と38は、相変わらず仲良過ぎて、ちょい妬けてまうね!」
ミケさんが、ニッコリ笑顔で、そう言ってから、
「でも、まあ、ロクスリー君の特技も見られたし、新統合とも距離取れたし、とりあえず、一息吐こうか! ブリッジに上がって、セリアに、何か飲みモンでも貰お!」
と、言い出した。
そのミケさんの一言で、全員、ブリッジに移動。




