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第124話

































「思い出した。死ぬってこんなに痛いんだ……。」

 圧倒的な痛みが身体からだを突き抜ける。

 皮膚が溶ける痛み。

 骨が溶け落ちる痛み。

 眼球が焼けただれる痛み。

 全身が痛覚の神経になった様に痛みだけを身体からだの全てが感じる。

 そして、急激な意識フェード遮断アウト……。

 そこでまぶぎる発光はっこうした光景こうけい途切とぎれた。


 一瞬、世界が一点に集約される様な妙な感覚を覚えた。

 ボヤけた視界が、徐々に明瞭めいりょうになってくる。

































「ええい! 相手はやる気マンマンや! なら! こっちは、相手を完膚なきまで潰すだけや! みんな、売られたケンカは買うで‼」

 と、ミケさんがはなつ!



 ここからなのッ⁉


 メチャクチャ、前に戻っているんだけどッ⁉



 でも、ここに戻ったって事は……新統合しんとうごうが来るだけで、みって事なんだッ‼





「ミケさん! ここに、新統合しんとうごうの部隊が50機、向かっています!」



「何やてッ⁉」

 オイラの突然の叫びに、目を丸くするミケさん。



「奴らが来たら、フェアタイディゲン戦で疲弊したオイラたちじゃ絶対に勝てないっス! 自警団たちとも、殲滅を目標に戦っている時間的な余裕が無いです! 新統合しんとうごうは、3時の方角から来ます! だから、逆の9時の方角に全力ダッシュ! ミケさんとケビンさんは、まずは、ガンスリンガーパレードで自警団を牽制けんせい! その後、オイラたち後衛と合流! で、ダッシュで逃げるっス!」

 このオイラの発言を聞いて、



「また、ロクスリー君の既視感デジャヴュかッ⁉ 了解や! 君の、そのかんするどさには何度も助けれらてきた! だから信じられる!」

 全幅の信頼を寄せてくれるミケさん!





 しかし、

「ちょッ⁉ ソルファージュ! セリア! レーダーで、それ、とらえれているの⁉」

 ユリンさんが、ソルファージュのセリアさんに矢継ぎ早に聞く!



「いえ、ソルファージュのレーダーでも、まだ、新統合しんとうごうの部隊と思われる反応はとらえれていません!」

 セリアさんが、冷静に状況を報告してくる。





「ちょッ! リーダー! ソルファージュのレーダーでも捉えれてないのに、信じるのッ⁉ こんな混戦中に逃走なんて、後ろから狙い撃たれるだけじゃないッ⁉」

 ユリンさんが、非難の声を上げるが!



『ユリンさん。マスターは、普段は弱腰で、逃げも隠れもしますし、ウソもよくきます。ですが、こういう、ここぞという時にウソをく人ではありません。どうか、マスターを……信じて下さい!』

 38(さんぱち)が、例の3D(スリーディー)アバターの姿で、健気にユリンさんに告げる。





38(さんぱち)……。」

 その38(さんぱち)の言葉に、切羽詰せっぱつまっていたオイラの胸が、ふっと軽くなるのを感じた。



38(さんぱち)ちゃん……。」





 ユリンさんが38(さんぱち)の言葉に、何かを感じた様子を見せた後に、

「そういう事や! ユリン! ロクスリー君の指示に従い! これはリーダー命令や! こうなった時のロクスリー君のかんは、ピカイチなんや!」

 ミケさんが、ダメ押しで、リーダー特権の強制命令を発動する。



「もう! 言い出したら聞かないんだから、リーダーは! 仕方ない! ロクスリー君、私たちの初動の指示は⁉」

 オイラを全面的に信じたかはともかく、なるようになっちゃえ、という感じで、ユリンさんが聞いて来る。





「自警団のFG(ファイターギア)部隊がユリンさんたちの間近にせまっています! ユリンさん、近接格闘戦は苦手って事っすけど、格闘兵器を当てるのは苦手でも、格闘兵器で斬り払うのは得意なんすから、何とか、相手の攻撃を斬り払って回避して下さい! そのあいだに、トニーさんとオイラで、エンジェルシードとフェストゥングに群がる相手を牽制射撃けんせいしゃげき! 距離を取ったところで、ユリンさんとマカロニさんの砲撃でさら牽制けんせい! その後、ミケさんたち前衛と合流! ダメ押しで、ソルファージュの艦砲射撃かんぽうしゃげき牽制けんせい! そのまま、ソルファージュに乗り込んで、全力ダッシュで、ブッチ切りで逃走っす!」

 そこまでのオイラの指示を聞いて、ユリンさんどころか、ケビンさんも、マカロニさんも、ポカンとした顔で、モニター越しのオイラを見る。



「ど…どうして、ユリンちゃんが近接格闘戦、超絶ちょうぜつ苦手にがてなの知っているの、ロクスリー君⁉」

 おののくユリンさん。



「しかも、何で、格闘兵器での斬り払いは上手いって、詳細まで知ってんだよ⁉」

 ケビンさんも、目が点と言った感じで、おどろきの声を上げる。



「これは…ミケさんの判断…あながち間違いじゃないかも知れませんね。実に興味深い。」

 マカロニさんが、中指で、メガネをクイッと上げつつ、真実、興味深そうに言って来る。





「とにかく、皆さん、お願いします!」


「OKや、ロクスリー君! みんなも頼むで!」


「分かったぜ、兄弟! あねさん!」


「ボクも、ロクスリーさんの指示に従います!」


「どうなっているのか分かんないけど、こうなったら、ユリンちゃん、やっちゃうんだから!」


「こちらも、OKです。ミケさんの認めるロクスリー君の能力の片鱗へんりん、見せてもらいますよ!」

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