第122話
「クッ……、我々、自警団に、オマエたちの軍門に下れと言うのか⁉」
「そうだ。しかし、オマエたち自警団が我等の指揮下に入る事を了承するならば、オマエたちには、特権を与えよう。食糧の優先確保権。住宅の優先確保権。一般市民より1階級上の地位を与えよう。」
なッ…⁉ 何言ってんの、この人たちッ⁉
「従わない場合は?」
「オマエたち自警団が、我等、新統合軍に弓引き、反乱を起こしたとし、オマエたちを殲滅。その後に、このアルセカーナを統治する。どちらがオマエたちにとって得かは、言わずとも……分るな……?」
「何、言っているの、この人たち⁉ 買収話をする上に、それで従わなかったら暴力で無理やり、この町を占領するとか、無茶苦茶だ!」
新統合の余りの横暴ぶりに、思わず、目が点になるオイラ。
何なんだ、コイツらッ⁉ マジで無茶苦茶だッ⁉ 横暴過ぎるッ⁉
「クッ……このアルセカーナは、我々、自警団が軍門に下るだけで、助けてくれるのかッ⁉ 他の条件もあるのかッ⁉」
「条件というより、交渉事項だな。アルセカーナのGショップなどの商店は、売り上げ金の一部を新統合に譲渡するならば、広い敷地を与える! また、町長が、我等、新統合の命に従い動くと約束するのならば、今以上の地位を与える! だが、断るのならば、我等、新統合の統治ガイドラインに沿い、既存のGショップなどの商店を解体! 既に、我等に協力してくれている、他の町のショップ店員による経営下のショップに改築! 町長も、我等、新統合に協力的な、他の町の住民から募り、このアルセカーナを統治して貰う! この案件も、どちらが得かは……分るな?」
新統合の部隊長が、メチャクチャな条件を、ツラツラと述べ終わるまで、オイラは、目が点のままだった。
「無茶苦茶過ぎる! 自分たちに従わなければ、破滅なんて条件、飲まざるを得なくなるじゃないか! こんなの、話し合いって言っているだけで、ただの脅迫だ!」
思わず、叫んでしまうオイラ。
だって、マジで無茶苦茶なんだもん!
コイツら、あのスナッチャーザインよりも、よっぽど性質が悪い!
「それと、我等、新統合軍に統合されるのを拒否した場合は、TSたち共々、オマエたち自警団を殲滅、その後、この町を統治させて貰う! その場合、オマエたちはヤラレ損をするだけだが、状況は理解できたかな……自警団諸君…?」
新統合の隊長が、皮肉めいた嫌らしい微笑を浮かべる。
それを合図にした様に、他の新統合の隊員たちも、
「へへへ…! へへへへ…ッ!」
「フフフ…ッ! ハハハ…ッ!」
自警団たちを見下す様に、ニタリと嫌な笑みを浮かべて、ねめつける。
コイツら! コイツらは‼ コイツらの目はッ‼
自分たちが悪い事をしているって分かっていて、それを楽しむ嗜虐の目だッ‼
人を虐げる事に呵責を感じないどころか、人を虐待する事を楽しもうっていう雰囲気を感じる‼
コイツらからは、ダメ人間なオイラでも、相容れないモノを感じるぞッ‼




