第121話
「ケビン! 長期戦は、損傷している、うちらやと不利や! アレ行くで、アレ!」
「了解だ、姐さん!」
脚部を損傷し、脚部のアリーエルスラスターを使えず苦戦していたラーゼンレーヴェと、左手を損傷し、PBLHを使えず苦戦していたタイニーダンサーが、敵陣の中央に突入して集まり、トライバレルを構え、背中合わせになり、
『合体攻撃! ガンスリンガーパレード!』
2機揃ってローリングしながら、チャージした偏向レーザーを自警団たちに向かって撃つ!
タイニーダンサーたちを襲っていたザヌス部隊やゲズやジーナ部隊が、見る見る被弾して行く!
「クッ……何て威力のパルスレーザーだッ⁉」
隊長機の角突きのザヌスが吠える!
最初はフェアタイディゲン戦の損傷で苦戦したけど、これなら行ける!
このまま畳み掛ければッ!
そこで、
「リーダー、3時の方角から、未知の機体反応多数! こちらに向かって来ます! 数、およそ、50!」
セリアさんが無茶苦茶な報告をして来たッ⁉
「ご…50ッ⁉ なに、その大部隊ッ⁉」
余りの無茶な数の報告に戦々恐々とするオイラ。
「未知の反応が50やとッ⁉ 1部隊で、それだけの数を揃えられる部隊っちゅうのは、今のティアナやと1つだけや! クッ……厄介な奴らが来おった……。」
ミケさんには、何が着たのか、想像が付く模様。
と、そこで、3時の方角から、続々とFGにしては見かけないGの大部隊が到着したッ⁉
その中の先頭に居たGのパイロットが、オープンチャンネルで、
「アルセカーナの自警団! TSに襲われ、困難な状況だな? オマエたちが、我等、新統合への統合を受け入れるなら、そのTS、我等が下し、オマエたちの町を救ってやろう!」
と、言い出したッ⁉
「な…何スか、この人たち⁉」
「新ティアナ統合軍……。15年前の戦争を起こしたティアナ統合軍の流れを汲む、現ティアナの最大勢力や。その首領のグランヴァルニア=エルスターク将軍は、洗脳めいた言を使って人民を誑かす。その上で、新統合の言う事を聞かん相手には、武力と数にモノを言わせて、暴力を振るってでも強行的に服従させるっちゅう性質の悪い勢力や! 服従させた相手からは、金と人的労力を搾り取れるだけ搾り取り、更に、自分たちに都合よく従うモノたちには権力を与えて抑制するっちゅう悪辣な手段を使う! 現ティアナで最大の勢力であると同時に、現ティアナで一番、性質の悪い勢力や! Gの反応が未知で、目視でも、あんな見た事ないGっちゅう事は、あれが巷で噂されていた新統合の新型の量産型Gっちゅう事か……。新統合は、Gを自力で量産できる能力を得たっちゅう事や…。なんちゅう厄介な……。」
ミケさんが苦しげに言って来る。
今のティアナでの最大勢力って、そんなヤバい相手なのッ⁉
ちょッ⁉ マジ勘弁なんだけどッ⁉




