第112話
「あ~、良かった。ミケさんまでボケに走っていたらどうしようと……って、全然良くないよッ‼ このまま地図データ通りに行ったら、またあの化け物G²と遭遇してデッドループだからッ‼」
あの化け物G²と、またクロスコンバットとか、マジ勘弁なんだけどッ⁉
「大丈夫ですよ、ロクスリーさん。フェアタイェイゲンはAトライバレルを盗んで所持してるとはいえ、他は汎用兵器のみの武装です。A・Jの性能で実弾兵器と格闘兵器は切り払われる危険がありますが、遠距離からのレーザー兵器なら、相手の虚を突いてアウトレンジから一方的に攻撃できます。レーザー兵器でも切り払いで軌道を逸らされる事もありますが、先日の様に、四方から同時にレーザーを撃てば攻撃を当てられますよ。ロクスリーさんのゲズC²には遠距離から届くレーザー兵器がありませんし、ボクのアウスブレンデンは、実弾兵器ばかりな上、Gではなく、戦闘機なので武装に互換性が無い為に武装をお貸しできませんが、マカロニさんのフェストゥングの遠距離用レーザーキャノンを借りて運用されると良いと思います。せっかくFGとKGで互換性があるのですし、使わない手は無いと思いますよ? マカロニさんにはフェストゥングの肩の大型レーザーレールキャノンを使って貰えればマカロニさんもアウトレンジからレーザーで攻撃できますし、試さない手は無いと思います。少なくともボクが同じ立場でしたら、そうしますしね。」
トニーさんが冷静に状況を分析し、提案して来る。
「素晴らしいアイデアですね! ボクもそのアイデアに賛成です。では、遠距離用大型レーザーキャノンを渡しますね。ハイ、どうぞ、ロクスリー君。」
マカロニさんが遠距離用大型レーザーキャノンを渡して来る。
「アレッ⁉ 二人とも、ボケ倒し続けるんじゃなかったのッ⁉ ここに来て、いきなり、いつも通りの解説サポートキャラに戻るのッ⁉ さっきまでのボケまくりから、いきなり的確なアドバイス係りに戻られて、ハッキリ言って困惑するんだけどッ⁉ 何、コレッ⁉」
困惑するオイラ。
「何を良く分からない事を言っているのですか? 早く装備して下さい。」
マカロニさんが急かして来る。
「ロクスリーさん、早くしないとまたミケさんにどやされますよ?」
トニーさんにも急かされるオイラ。
「あ……もう二人とも、ボケとか変な間とかは辞めたのね……って、確かに早く行かないとミケさんに怒られちゃうよ! でも、またデッドループは嫌だぞ! マカロニさん! トニーさん! オイラ、絶対にアウトレンジからからだけじゃないと撃たないっスからねッ⁉ あの化け物G²の射程に入るのは勘弁よッ⁉」
懇願するオイラ。
もう痛いのは嫌なのッ‼
「いまいち、言っている事が分かりませんが、無理をして前線に出る必要は無いと思いますよ。カベ役には恐らくミケさんとケビンさんたちが既になってくれていると思います。ユリンさんは恐らく中衛からのサポート中でしょうね。そして、ソルファージュは後方からの支援射撃中だと思います。ですから、ボクたちは着き次第、ソルファージュやユリンさんたちと連携を取って、こちらもソルファージュと共に支援射撃をし、それに徹するのが良いでしょうね。」
トニーさんが、冷静に状況分析して案を述べる。
「それが妥当なところでしょうね。それなら、仮に当てられなくても牽制射撃となってミケさんたちを援護できますしね。」
マカロニさんも、トニーさんの案に賛同する。
「おお! アウトレンジから撃つだけな上に、外しても良いんスね! それ良いっスね! その案で行きましょう!」
オイラも賛同の声を上げる。
遠距離から撃って、外してもOKなんて、最高だよねッ‼
「では、2人とも、ミケさんが送ってくれた地図ナビゲート通りにボクに続いて進んで下さい。」
マカロニさんが言い、3人で、送られた地図ナビゲート通りに進む。
「でも、トニーさん、頭良いっスね。フェストゥングの装備を借りて、ゲズC²で使うってのは、オイラじゃ絶対に思い付かなかったっスよ。言われてみればGって、ほとんどみんな互換性があるんスから、できるよねって思うけど、そこに辿り着けるのが凄いっスよ。目からウロコって感じっしたよ!」
トニーさんに賞賛の言葉を掛けてみる。
「そんな、たまたま思い浮かんだだけですよ。そんなに褒めて頂だけて恐縮ですし、何も返して上げられませんし、ちょっとムズ痒くなりますね。」
トニーさんが照れながら、鼻の頭を掻きつつ言う。
「と、話は、そこまでですよ! ミケさんたちとフェアタイディゲンが見えて来ました! ここからはパーティーチャンネルではなくチームチャンネルに通信を切り替えます!」
マカロニさんが鋭く言って来る。
「了解っス、マカロニさん!」
「分りました、マカロニさん!」
了承の旨を伝える、オイラとトニーさん。




