第111話
ミケさんたちと分かれ、しばらく進むと他のところより少し大きめの建物から白煙が上がっていた。
「Gショップだったらしき建物から煙が上がっていますね」
トニーさんが、白煙の上がるGショップを見咎めて言う。
「こ……これはッ⁉」
急に、マカロニさんが驚きの声を上げるッ⁉
「うぇッ!? もしかしてG²が居たのッ⁉」
怯えるオイラ。
「メーカー品のマガジンはゴッソリ奪われているのに対して、安価なバルク品のマガジンには全くの手付かずですッ‼ どうやら奴は相当なグルメの様ですッ‼」
マカロニさんが、驚愕の声で言って来るが、
「いやッ! そんなどうでもいい事で、いちいち驚かれてもッ⁉」
驚くとこ、オカシクないッ⁉
それを尻目に、
「……………………………………………………。」
トニーさんが、通信で、マカロニさんを無言で見つめ続ける。
「何なの、この無言の間ッ⁉ トニーさん、怖いッスよッ⁉」
何で、ここで無言なのよッ⁉
もっとツッコミ入れるとこなんじゃないのッ⁉
「アッ⁉ あっちの方でもGショップだったらしき所から煙が上がっていますッ‼」
トニーさんが言いながら、そっちに進む。
「アレッ⁉ オイラのツッコミはスルーで、そっちに行っちゃうのッ⁉」
ダメ元で再度ツッコミを入れてみる。
「ああぁ……ッ⁉」
マカロニさんが、また驚きの声を上げる。
「今度は何なのッ⁉ 今度こそG²が居たのッ⁉ それとも、またどうでも良い事で驚かれているのッ⁉」
嫌な予感を感じつつも、一応、ツッコミを入れてみる。
「メーカー品の装甲板はゴッソリ無くなっているのに対して、安価なバルク品の装甲板は、これまた全くの手付かずですッ‼ 奴はグルメなだけではなくオシャレさんでもある様ですッ‼」
マカロニさんが声を大にして驚きを伝えて来る。
「また、そういうとこなのッ⁉ 明らかに驚く点とか、探している点とかがオカシイよねッ⁉」
何で、そんなどうでも良い所を探しているのよ、アナタはッ⁉
そして、
「……………………………………………………。」
また、通信で、トニーさんが、再度マカロニさんを無言で見つめ続ける。
「だから、この間は一体何なのッ⁉ トニーさん、それ怖いってばッ⁉」
無言の圧力、マジ怖いんですけどッ⁉
「オイ、マカロニら! 良う聞き!」
いきなり、今までの分隊通信用のパーティーチャンネルではなく、全体通信のチームチャンネルで、ミケさんが声を掛けて来る。
「何なのッ⁉ ミケさんまで何か変なボケとかやって来ているのッ⁉ てか、こっちのパーティーの人たちって本来はツッコミ属性よねッ⁉ 何で、みんな、ボケに走っていて、オイラが一人で捌いているのッ⁉ 明らかにオカシイし、役者不足だよねッ⁉」
オイラが激情の捲し立てると、
「うわッ⁉ 何やねん、ロクスリー君、いきなりッ⁉ いや、それよりッ‼ フェアタイディゲンをこっちで補足したから地図データを送るッ‼ 君らも早よ来いッ‼ じゃあ、こっちは先に仕掛けとくッ‼ 後の通信は、合流してからやッ‼ ほんならなッ‼」
と、ミケさんが言って、通信を切る。




