第11話
で、色々と話は飛ぶんだけど、FGの中でも良く発掘されるのが、過去の時代の量産型の汎用機の、赤と白を基調とした2トンカラーのジーナや、赤単色でカラーリングされたゲズっていうGとかなんだよね。
途中で更に挟むんだけど、父さんが言うには『量産型には赤色を使う事が多いから、赤かったら量産型だと思え。』との事。
どうして赤が多いかと言うと、『赤だと目立つから敵に自分たちの機体が攻めに行っているぞというプレッシャー掛けの用途で使われるんだ。』との事。
オイラ的には、そんなプレッシャーを掛けるとかは、エース機体のKGとかでやって、量産型の汎用機体なら目立たないカラーリングにしたら良いのにと思うけど、どうも昔の人たちは自己主張が強くて目立つのが好きだったんだなと思う。
で、そういうジーナやゲズの様な量産型の汎用機体の中には飛行可能にカスタムされたフライングユニットの付いたタイプもあるんだよね。
ぶっちゃけ、ライドブレードって、元は、そういう空戦用CFGに良く付いている飛行動力の補佐の為の外付け補助推進ユニットだったりする。
更に詳しく説明すると、THやTSなどがGを乗せて運用する戦艦を、さっきも言った様にGSと言うんだけど、そのGSからFG等を出撃させる時に使う、G射出用のカタパルトをGハンガーっていうんだよね。
どんなFGでも、出撃時に加速させて出撃させれるので、非常に有用っていうね。
で、フライングユニット付きの機体が、そのFGハンガーで射出される時に、通常射出時より更に加速して出撃できる様にし、その加速によりGSからの出撃時の安定した補助推進動力を確保し、スムーズに飛行を行う事が出来る様にする為の外付け補助推進ユニットがライドブレードなんだよね。
でも、フライトユニットの付いていないこのゾンドでは、ただGハンガーからの射出時に通常より加速するだけや、舗装された路面をダッシュするだけではあったりする。
ライドブレードを使って飛ぶタイプのCFGは、外部フライトエンジンユニットといういわゆるロケットエンジン。
ぶっちゃけていうと機体を飛行させるためだけに特化した巨大ブースター。それで力技で強引に飛ばすらしい。
そんな力技で空を飛ばすから、そういうCFGはジェネレーターの出力の大部分がその巨大ブースターに重点的に使われる。
だからレーザーマガジンを装備した携行レーザー兵器などの、機体自身の出力を使わないレーザー兵器は使えるけど、機体自身の出力を使う兵器が使えない。
結果、携行レーザー兵器と実弾兵器便りのバランスの悪い機体になるのだとか。
で、そのくらいジェネレーターの出力が逼迫するので、少しでも飛行の為のエネルギー消費を抑える為にと開発されたのがライドブレードなんだとか。
ただ、過去の時代でも、都市部での市街地戦が結構多かったらしく、舗装された路面で戦う事が多かったため、空戦用CFGの為に開発されたライドブレードだけど、市街地での高速稼働の為に使われるという別の重要な用途を得たりもしていたらしい。
まあ、他のとこは知らないけど、うちのファトス村とかくらいのとこだと、村の中心部の町並みのメインロードの部分は舗装道路だけど、少し離れると農地や自然が広がっているから、あまり使いどころは無いんだけどね。
GSには、アリーエルさんという人が初めてこの星の大気中で発見したアリーエル粒子というモノの、リニアレールの様に磁石のN極とS極が弾き合う様に反発し合うという原理を使ってGSを空中に浮遊させるという装置であるアリーエルクラフトというモノが使われているらしい。
ただ、アリーエルクラフト自体には浮遊の為の揚力だけしか有らず、その装置だけでは浮遊しか出来ず飛行はできないらしい。だから別に飛行の為のエンジンが必要なんだとか。
でも、GSって、かなり巨大なのに、それを浮遊させる事が出来るというだけでも、存分にENの節約に繋がって、非常にエコな飛行が可能なんだから、アリーエルクラフトって、かなりの優れモノだと思うんだよね。
しかし……GSとかも、父さんは持っていた気もするなぁ……。
アレは微かな記憶だと、かなり大きかったけど、アリーエルクラフトと専用の大出力エンジンを使って、空を飛んでいたはず。
あんな大きなモノが飛ぶ為の装置やエンジンを作れたなんて、昔の人って凄かったんだねって思う。