第107話
「セリアッ‼ フェアタイディゲンの追跡、どうなっとんやッ⁉」
ミケさんが、苛立ち紛れに荒い声で聞く。
ミケさんたちのKGたちを、マカロニさんが急ピッチながら、何とか修理し終わって、トニーさんが、『せめて自分の機体は整備します』と、アウスブレンデンを整備し終わって数刻。
ソルファージュから、かなり先行して逃げているフェアタイディゲンを何とか索敵し、レーダーで追える範囲ギリギリで追跡している現状なうっていうところ。
「依然、同じ方角に向かって逃走しています。このまま行くと、丁度、アルセカーナの町に到着しますね。」
ミケさんへの質問へのセリアさんの答えに、
「何であのG²、そっちに逃げているのかな?」
リッドさんが疑問の声を上げる。
「あれだけの技量の自動戦闘ができる高性能AIなのですから、もしかしたら自己修復機能もあるのではないかとボクは考えます。そして、自己修復の為にアルセカーナの町のGショップなどでパーツを得ようとしているのではないかとも考えます。」
マカロニさんが自己分析の仮説を述べる。
「何にしても、うちらのKGは、もうマカロニが直してくれて万全なんやし、早よ、アイツに追い付いて、今度こそ完膚なきまでに叩き潰したるんやッ‼ フッ……フフフ……クククッ…ッ‼」
不気味な笑い声を出すミケさん。
マジ怖いっス……。
「リーダーが燃えているッ⁉」
引き気味にユリンさんが言う。
「あの~……やっぱり、あのG²に関わると損害しか出なさそうっスし、ここは、もう諦めて放っておくって選択肢も……」
「あんッ⁉」
ミケさんが、ギロッ!て音が鳴りそうなくらいに、睨みつけてくるッ!
「ヒッ⁉」
オイラ、ビビる、ビビる。
「止めとけ、ロクスリー。金絡みのもつれの時は、姐さんには逆らうな。」
ケビンさんが小声で言って来てくれる。
「まあ、メカニックの観点から言わせて頂ければ、本当はボクもロクスリー君の意見に賛成なのですけどね。でも、ミケさんがああですしね……。」
マカロニさんも小声でフォローの言葉を送ってくれる。
「まあ……仕方ないっスよね……。」
ケビンさんとマカロニさんに、オイラも小声で答える。




