第101話
程なくして、タイニーダンサーとラーゼンレーヴェと、フェアタイディゲンがクロスコンバットしている場面に遭遇。
…って……え…ッ⁉
タイニーダンサーとラーゼンレーヴェの左腕の装甲に風穴がッ⁉
装甲を貫通されて火花が散っているんですけどッ⁉
トロイメンカッツェのトップエースたちが、こぞって被弾したって言うのッ⁉
あ、良く見ると、フェアタイディゲェンの右手にトライバレルがッ⁉
あのG²、ソルファージュの倉庫から予備のトライバレルを盗んだっていうのッ⁉
でも、フェアタイディゲンは、防御や反撃はメチャ上手いけど、自分から攻撃は出来ないんじゃなかったのッ⁉
反撃で被弾したって感じどころじゃないんじゃないの、あの被弾の仕方はッ⁉
「クッ……A・Jは防御行動や反撃行動だけで、自分から攻撃して来るとか攻撃的な事はできへんかったんちゃうんかッ⁉ それに、この前より数段強うなっとるぞッ⁉ どうなっとんのやッ⁉」
ミケさんが、オイラと同じ疑問を叫ぶ。
「攻撃行動に出て来たのは、A・Jが暴走している為でしょうね。先日より強くなっている方は、恐らくフェアタイディゲンが無人の上でA・Jが動いている為に、パイロットを無視してコックピットに殺人的なGが掛る程の超加速で動いているからだと思われます。」
マカロニさんが冷静に分析する。
でも、それってヤバいんでないのッ⁉
暴走して攻撃行動に出る様になっただけでもヤバいのに、パイロットが乗ってない事で、逆にパワーアップしているとか、マジ勘弁ッ‼
「クッ……けど相手は1機やッ‼ 囲んで畳み込めば、どれだけ高性能なAIでも切り崩せるはずやッ‼ みんな! フェアタイディゲンを囲むでッ‼」
ミケさんが意気込んで、オイラたちに指示する。
「了解だ、姐さん!」
「了解です、ミケさん!」
「OK、リーダー!」
「分りました、ミケさん!」
「ああ……やっぱり、すんごい嫌な予感がするんだけどなぁ……。」
と、嫌な予感に身を震わせつつも、オイラも戦列に加わわり、フェアタイディゲンを囲む。




