第100話
「セリアッ‼ フェアタイディゲンを追随するッ‼ ナビゲート頼むッ‼ 壊されてへんもう一方のハッチにタイニーダンサーを回してうちを出しッ‼」
ミケさんがタイニーダンサーに乗りつつ言う。
「了解です、リーダー。フェアタイディゲンは我が艦から2時の方角に進んでいます。ハッチオープン。進路クリア。カタパルト、ハンガー、起動します。タイニーダンサー、出撃して下さい。」
セリアさんがミケさんをナビゲートする。
「ミケ=スターライト……! タイニーダンサー……! 出るでッ‼」
ミケさんが意気込んで先行して出撃する。
「あのG²は、いくら姐さんでも1人じゃ無理だ! オレたちもGデッキに行って出撃だ!」
ケビンさんがオイラたちを促す。
「いやぁ~……オイラが行っても……足手まといっていうか……その……。」
と、お茶を濁すオイラに、
「だぁー! つべこべ言わず、オマエも出んだよ!」
と、ケビンさんがオイラの耳を引っ張ってGデッキに連れて行く。
「痛い! 痛いっスよ、ケビンさん! そんな力いっぱい引っ張ったら取れちゃいますって! 痛たたたた! 取れる! 大事なとこ取れちゃうッ‼」
ケビンさんにGデッキに連れられ這々の体のオイラ。
それを聞いて、
「ケビンに引っ張られて大事なとこ、取れちゃうの、ロクスリー君⁉ これは新手のギシアンですかッ⁉ ハァハァ⁉ 思わず萌えちゃうッ‼」
ブバ……ッ⁉
出ちゃったッ⁉
出ちゃったよッ‼
ユリンさんの3倍の赤い奴、鼻腔から止め処なく出ちゃったよッ‼
ツッコミのミケさんが居ないのにGデッキは大惨事ですよッ⁉
「ゆ…ユリンさん、お気を確かにッ!」
トニーさんが甲斐甲斐しく、ユリンさんに、ポケットティッシュで作った鼻栓を渡す。
こんな時でもユリンさんを気遣えるトニーさん、マジ天使!
「ハッ⁉ 出してない! 出してないよ⁉ 花も恥じらう純情乙女のユリンちゃんが、鼻血なんて出してないよッ⁉」
鼻栓で栓をしながらも、鼻声で言い訳をするユリンさん。
何で、アレで鼻血がバレてないと思えるのか謎で仕方ない。
「このバカ! こんな事してる場合じゃねぇってんだよ! 姐さんとマカロニだけじゃ、あのG²はヤベぇってのに、オマエがもっとヤバくなってどうすんだよッ⁉」
ベシっとユリンさんの頭にツッコミを入れるケビンさん。
「とにかく、とっとと出撃して追いつくぞ! オレは先に出るぜ!」
ケビンさんが、ラーゼンレーヴェに乗り込み、カタパルトに移動する。
「ケビン=ブロッサム! ラーゼンレーヴェ! 出るぜ!」
ケビンさんが、出撃して行く。
マカロニさんは、オイラたちがブリッジからGデッキに移動する間に先に出撃した模様。
「よ~し! 御飯3杯は行けそうな新手のギシアンで脳内燃料満タンのユリンちゃんも出撃しちゃうぞ~! ユリン=エメラルド! エンジェルシード! しゅっぱ~つ!」
ユリンさんが、鼻栓を付けて鼻声で出撃して行く。
「さぁ、殿はボクがやりますから、ロクスリーさん!」
トニーさんが、オイラを急かす。
「嫌な予感しかしないんだけどなぁ……。」
いそいそとゲズC²に乗り込み、
「痛い思いだけはしたくないんだけど……後でミケさんにどやされるのも嫌だし……仕方ないから出撃っス! ロック=ロクスリー! ゲズC²! 行きます!」
カタパルトの横ハンガーの勢いでダッシュしつつ、とりあえずエンジェルシードの後ろに着地し進む。
そのオイラたちをトニーさんのアウスブレンデンが超えて出撃して行く。




