プロローグ 全ての始まり
2chで見つけた面白そうなスレッドを小説にしたよ。
文章力ないし、飽き性なんで、多分すぐ逃げるよ。
それでもいいなら読んでね。
「ふぁ~あ・・・良く寝た・・・今何時だ・・・?」
全く今日は変な夢を見たものだ。
何もない真っ白な空間に自分と神々しい姿をした超絶美少女の二人だけがいて、美少女が唐突に俺に話しかけてくる夢だった。
「・・・尋さん・・・。宮田真尋さん・・・。あなたはこれまでの25年間の人生で・・・ずっとお金に恵まれずに育ってきましたね・・・?」
「うわっ!ここどこ!?てか君誰!?なんで俺の事知ってんの!?どこかで会ったことあるっけ!?」
突然聞こえた女の子の声にびっくりして目を開けると、自分が昨日ベッドに入った時のままの格好で、一面真っ白な空間に直立していた。
「まあいいです。軽く自己紹介をしましょう。私はルナ。私の事を一言で言うなら「名状しがたい神のような存在」というようなポジションなのですが・・・まあ気軽にルナでいいですよ。あなたに今からひとつ、人生の選択肢をあげます。よく聞いてくださいね。」
「え、あっ、ああ」
本当に突然すぎることで、俺は何が起きているのか全く理解できなかったので、とりあえず目の前の美少女の話を聞くことにした。
「いま私が持っているこのボタンを押すと、あなたは10億円貰えます。しかし、それと同時に、あなたを殺す宿命を持った子供が地球上のどこかに生まれます。その子供は成長するにつれ、次第にあなたに対する明確な殺意を持ち、あなたを殺しに来ます。さて、あなたはこのボタンを押しますか?まあ、そういわれてもあまりピンとこないと思うので、ボタンに関する質問は何なりとどうぞ」
・・・全く言っている意味が分からない。先ほど覚醒したばかりの頭をフル回転させても、目の前の美少女の意図や、何故自分はこんなところにいるのかも、何一つ理解ができなかったので、少しばかりリアルな夢だと思うことにして、思考を放棄することにした。
「・・・まだ俺、今の状況が正直全然わからなくて、君やこの世界について聞きたいこともたくさんあるけど・・・そのボタンを押したら10億円なんて本当にもらえるのかい?てか君、10億円なんて持ってるのかい?」
「はい。このボタンを押すと10億円は確実にもらえますよ。ただ先ほども言ったように、あなたを殺す宿命を背負った子供が生まれるというペナルティ付きですが。あと、私は名状しがたい神のような存在なので、今ここには10億円はありませんが、あなたが眠りから覚めた時には、ちゃんと10億円を家のテーブルに置いておきますので心配はしないでください。」
「で、その子供というのは俺をどうやって殺しに来るんだ?」
「あなたを殺す宿命を背負った子供がどこに生まれるか、どうやって殺しに来るかは私にもわかりません。ですが、地球上に一人は必ず生まれます。その子は物心がついた時から、あなたの今の顔と名前を知っており、あなたを殺す宿命についても比較的早いうちから悟り、あなたを殺すための行動に動き始めます。まあ・・・その辺の心理については私もどうなっているのか分かりませんけどね」
「今の顔と名前だけは物心ついた時からあるって、それだけなのかい?」
「はい。殺す側が知っているのはそれだけです。殺す側はそれ以上は知らないので、もしあなたが殺す側に殺される以外の方法で死んだとしても、殺す側は一切そんなことは知らず、既に死んでしまったあなたを探すことになります。殺す側があなたを直に殺すか、あなたが殺す側に殺される以外の死因で死んだことを殺す側が認識すれば、殺す側は宿命から解放されます。」
「で、宿命ってどういうこと?なんかペナルティーでも?」
「ペナルティーと言ってもなんか変ですが、あなたがもし殺す側に殺されたら、死後にいろいろと支障があるかもしれませんね。まあそれは私の口から言うのは控えますが。そして殺す側は、あなたを殺すか、あなたが既に死んでいることをはっきりと認識した時点で宿命から解放されます。あなたを殺せないもしくは既に死んでいることを知らないまま殺す側が死ぬと、殺す側の死後に支障が出ることになりますね。要するに、あなたが殺す側に殺された場合、あなたのみ死後に支障があり、あなたが死んで、そのことを殺す側が認識すれば、どちらの死後にも支障はありません。殺す側があなたの生死について何も知れずに死んだ場合、殺す側の死後に支障がでますね。」
「支障って怖すぎだろ・・・。ちなみに俺が知ってることは、地球上でたった一人の人間が俺に対し明確な殺意を持って襲ってくることだけか?」
「はい。あとは、あなたがボタンを押した日にその子供は生まれてくるようになってくるので、その子供の誕生日は今日の日付、2023年3月25日で固定になります。そして、あなたも殺す側と同じように、それだけしか情報がないので、もし殺す側が何らかの不慮の事故で死んだり、病気で死んだりしても、あなたはそれを一切知ることができません。」
「マジかよ・・・怖いなそれ・・・だが上手くやればいけるかもしれんぞ・・・それに10億円だしなあ~・・・」
「あと、言い忘れましたが、ルール違反に該当する行為としては、どちらかが自殺すること、殺す側をうまく言いくるめ、自然に自分が死ぬのを待ってもらう事の二つです。前者は自殺した方の死後にのみ支障が出て、自殺しなかった方が生きていれば、その人に、片方が自殺したことを教えに行き、宿命から解放されます。そして後者はあなたと殺す側の二人の死後に支障が出ます。あとは基本的に縛りは設けていないので、老後になったらわざと人を殺して終身刑になるなど、自殺以外ならなんでもしてもらって構いませんよ。」
「マジか・・・まあいいや、殺す側は今話したことを知ってたりするの?」
「物心ついたときに詳細な夢を見せ、今話したルール違反行為についてなど、全部を教えます。ちなみに、殺す側は、あなたの顔と名前と物心ついたときに見せる詳細についての夢だけは絶対に記憶から消えずに、鮮明に頭の中に残りますからね。殺す側が大人になってそのことを忘れるなんてことは万が一にもありえません。」
「なるほどな・・・じゃ、俺の聞きたいことはもうあらかた聞いた感じだな・・・」
「お、いよいよですか。押しますか?押しませんか?まだあなたは自由ですよ。押さなかったからといて誰にもとがめられることはありません。押したら10億がもらえる代わりに、薄気味悪い思いを抱えながら暮らすことになりますがね」
「う~ん、でもマジで今のままだったら間違いなく俺は過労死するだろうし・・・これまでずっと貧乏生活だったし、金は命より重いって言うしな、じゃあ押すわ、俺」
「お、わかりました。ではこちらのボタンを押してください。10億円はあなたが目覚めた時にはリビングの机に置いておきますね。」
「わかったよ、ほい、押した。これだけでいいのか?」
「はい。これで完了です。では、また死後にお会いしましょう!」
・・・夢の記憶はそこで途切れている。今思えば随分とリアルな夢だった。まるで自分が本当にあの世界であの美少女と話したかのような感じだった。夢の内容だってこんなに鮮明に覚えているくらいだからな。
「うわ・・・まだ朝の3時かよ・・・まだ2時間寝れるじゃないか・・・」
暗闇の中、自分のスマホを起動し、時間を確認する。
「さっきの変な夢で目が覚めちまったし、ちょっとトイレでも行こうかな・・・」
そう思い、スマホの光で闇を照らし、リビングへ続く扉を開けた。
その時。俺は視界の端、明かりで照らされたリビングの机の上に、何か大きな箱のようなものがあるのが見えた。
違和感を感じ、目を擦り、スマホの光を向ける。
その瞬間、俺は驚きのあまり、腰が抜け、思考が真っ白になった。
「え・・・?は・・・!?嘘だろ・・・!?これ全部・・・一万円か・・・!?」
スマホの光で照らされた机の上にあった大きな箱状の物は、縦横に敷き詰められた一万円の札束の山だったからだ。
君はボタンを押すかな?押さないかな?
また、君がもし殺す側になったならどうするかな?
保護者の方や友達と一緒に考えてみましょう!