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第二話 ─異世界転生1─


 暗闇で漂うような不思議な感覚が零を包む。


 ハハ……トラックに轢かれて死ぬって、それなんてラノベ展開。これで目覚めて病院じゃなきゃ異世界転生モノじゃん━━━


 ふうっと浮上する感覚と、眩しい光が瞼を刺す。


「ん……、え?ここどこ?」


 目の前には森が広がっていた。


「は……?ここ……森……?わっ!!なに!?」


 ガサガサ草木を分ける音……そこから何か飛び出してきた。


「うさぎ?……猫?…羽根……」


 そこには猫の顔にうさぎのように長い耳、背中には羽毛に包まれた一対の羽根。

 完全に地球にはいない生き物である。


 も、もしかして、まさかのまさか!!ホントに異世界転生!?ラノベ展開じゃん!!!!

 ってことはアレ……


「ステータスオープン!!」


 ヴンッ!という音と共に目の前に半透明の板のようなモノに文字が浮かんでいる。


「おおっ!!出た!!!どれどれ?」


深月零  人間/男  15歳


レベル1


HP 30

MP 15

攻撃力  5

防御力  6

速さ   10


属性

???????


スキル

器用(Lv.???) 鑑定(Lv.1) 不屈の精神(Lv.???) マジックバッグ(Lv.???) ?????



「んん……?なんだこれ……弱いのか?え、チートとかないのか……やばくね?てか、属性とスキルの?????てなんだ?スキルレベルも?多いし……」


 ブツブツと呟いていると、ガサガサっと先ほどより大きな音が聞こえ、顔を上げると、そこには金髪の青い肌の歪んだ顔の女性と思しきモノが立っていた。


「……え、あ……」


 零が戸惑っていると、ソイツは声を発した。


《ミヅキ……レイ》


「な、なんで俺の名を……」


《ニクイ……ニクイゾ……》


「え……」


《私をこんな風に生み出したお前が……》


「お、前……」


 そんな!ゲームで作った邪神じゃないか……!!なんで……!?


「じ…邪神……なのか!?」


《そう……ミヅキレイ……お前のせいで私はこの世界の邪神でしかない……許さない……堕ちてしまえ》


 立っている零の足元に円陣と幾何学模様が高速で描かれる。


「え」


堕  チ  テ  シ  マ  エ


 足元に描かれた円陣━━魔法陣が眩く光る。

 ━━瞬間、浮遊感。そして落下する。

 ドンッと落ちると顔から落ちる。


「痛っ!!」


「おお。勇者様!!」

「よくぞこの地へいらっしゃいました、勇者様!!」


 ━━は?


 そこには薄暗い部屋にほのかに光る魔法陣にいる零と、ローブ姿の男女が複数名いる光景が広がっていた。



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