夏休みの前日は 夏祭りの日
一学期の最終日。全校集会で、
「1年と3カ月の間、この学校の生徒でいられて、とても幸せでした。今までありがとうございました」
お昼の1時。学校が早く終わり、ごはんを作っていると、
ピンポーン
「郵便でぇーす」
「ハァーイ」
タケヤが受け取ってくれました。
中に入っていたのは、新しい学校の宿題でした。
今夜は夏祭り。
お風呂からあがると、お祭りに行く支度をしました。
タケヤは、タキヤくんと二人で行きました。
今日の浴衣は、赤に近いピンクの水玉。帯はネイビーです。
歩くこと30分、たくさんの人でにぎわっていました。屋台の端から端まで歩き回った後、
「あと少しで花火の時間だわ」
チョコクレープを買うと、そっと会場から離れました。少し歩いた丘の頂上に着くと、
ヒュ~ ドッカ~ン
花火が上がっていました。あたしはクレープを食べながら、キレイな花火を見ていました。
帰り道、一台のバイクとすれ違いました。何かあると思い、辺りを見渡しました。帰る道と反対の方向に、青く光っている建物があります。行ってみると…
「燃えてるわ」
持っていたスマホに、119番通報しました。
「なんで青いのかしら…」
5分後、消防車が来ました。
「青い炎なんて見たことないぞ」
「とにかく消すんだ」
「おう!」
消防士さんたちも、青い炎に困惑していました。消火をはじめましたが、鎮火する気配がありません。おまわりさんもやって来たので、二人に事情を話しました。
「ただいま」
「兄ちゃん、おかえり。遅かったね」
「火事に出くわしたのよ」
「火事!?」
「えぇ、ものすごかったわ」
翌朝、ニュースで流れました。
金融会社のビルで、死者は5人。全員男性。この会社の社長と、その従業員だそうです。、




