~Two Gods and a Boy~
「貴方ほどの方が何故なぁ~んにもいわずに消えるのですか!少しはご自分の立場というものを・・・」
「すいませんでした!」
来訪者の話が長々と続きそうになったとき奏が思い切り頭を下げて謝った
「あっいえ!私なんかに頭を下げないでください!」
先ほどまで怒っていたのにいきなりオドオドとしだすその人の言い争いのようなものを見ている間に少しばかり冷えた頭で声を少し張らせる
「・・・で?この人は誰?奏。」
すこしばかり無機質ではたから見ればきっと冷淡な声で加害者の奏に問いかけられた俺はすごいと思う。なぜならその人は奏のような美少年、つまり子供ではない成人男性と思われたがそのヒトはとても綺麗だった。男性なのに腰の高さまで伸びているスカイブルーよりももう少し白めの細く艶やかな長い髪。そして知的な深緑色の目。着ているものは奏とは少し対照的な黒を基本とした執事のような服装、が完璧に似合っていた。奏を見ていたから免疫が出来ていたもののこんなの目の前に現れたら倒れると思うほどの美男だったから。
「これはその!あの!だから・・・えーっとちゃんと説明する。するから怒らないでよ優。」
「だ・れ・な・ん・だ?」
「え、えーと。
この人は僕たちと同じく神であるユウマ。さっき話した中の一番上位の神の、まあいうなれば最高神の秘書みたいな仕事をしている。つまり神での順位は二位。
で、ユウマ。こちらは優。僕に『奏』という名を与えてくれて、僕がココでお世話になっている人。
・・・陸にはユウマのこと、ユウマには陸のこと、それぞれにはもう僕の口から話してるから大丈夫かな。」
(最高神の秘書・・・神での順位は二位・・・。
え、つまりそれってめっちゃ偉い。)
「は、はじめまして。久遠優です。」
「こちらこそはじめまして。ユウマと申します。先ほどはお見苦しいところをお見せしてしまい申し訳ございません・・・。
そして優様。長らくのあいだ奏様を監・・・ではなく『保護』してくださり真にありがとうございます。僭越ながら上・中・下位を代表させてお礼を申し上げます。」
「・・・いえいえ。」
(丁寧すぎて反応に困る!)
(ん?)
「ユウマさん」
「なんでしょうか?」
「今奏を『保護してくれた』といいましたよね?」
「・・・はい。それがどうかしましたか?」
(???)
「ちょっとまって、ちょっとまって。今整理するからちょっと待って。
・・・奏。さっきの話に戻るけど神は『人間のことを知りに』ココに来るんだよな?だけどお前は『飽きたから』ココに来たっていってたよな?・・・で?挙句の果てにはこんな偉い人に探されてたわけだ?」
「おっしゃる通りでございます・・・。」
しゅん、とうなだれた奏を見た後、俺の口からこぼれたのは大きなため息
「はあああ~~~。」
「飽きた?それもあながち間違ってはいないと思いますよ。人だって自身の仕事に飽きもするでしょう?それが奏様のようにあんな多い量が毎日であればなおさら。」
「どういうことですか?
・・・それにさっきから気になってはいたんですけど、なんでユウマさんほどの神の中でもトップクラスの人が奏のことを様づけで呼んでいるんですか?」
「・・・」
(えっ・・・。ユウマさんなんかすげえ目が点になったまま固まっちゃったんだけど・・・。
俺なんか変なこと言ったか?)
「あの・・・」