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両親介護記録  作者: 公心健詞
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入院

両親が骨折した

六月十七日、午後3時50分頃、年金保険機構からの帰り道、鉄道高架下の道路の突起物に自転車のタイヤをぶつけ、母親が左大腿部を骨折。前歯二本欠損。

近隣住民が救急車を呼んでくれて病院に運ばれる。

自分が多忙にしていたため、私の年金の納付を頼んでいたので、良心がいたむ。

甘えていたことを反省。

仕事の合間を見て早朝と夜中に介護をする。

最初、病院からタオル、歯磨き、お茶を入れる容器、コップ、靴を持ってくるよう指示される。

夜中あいている二十四時間スーパーをかけずりまわって集める。ドラックストアーが夜中に開いてないので、

歯磨き粉の入手に手こずる。

なんとかあつめて病院へ行く。

母親は寝たきりでオシメをしており、衣服は病院で調達した。

布オシメと本人の寝間着で対応は可能だが、仕事をしながら洗濯や介護は困難なので、

金がかかっても病院のオシメと病院着を依頼する契約書を書く。

寝たきりなので、尿道に管をとおし、ビニール袋に尿を流すようにしていた。

最初、母親が心配なので、全力で母親に優しくした。

母親はすごく喜んでいたがこちらが「何でも言うことを聞くから何でも言って」と言っていたので、

色々とお願いするようになる。病院食は薄味なのでフリカケがほしいと言ってくる。昼間にスーパーにいくのは不可能なので、コンビニでフリカケをかう。親戚のおばさんがきて、下手をすると寝たきりになるから

介護保険の申請をするべきだと言ってきた。しかし、日中はうごけないので、父親に頼む。そのうち、

日中の買い物、換えのタオルの運搬など父親に頼むようになる。今考えれば甘えた考えだった。

父親は何の文句もいわず、ひたすら、私の要求を呑み続けた。その結果、七月三十日頃、夜中に

トイレに立ったとき、力つきて転倒し、支える気力もなかったので、足の膝をもろに殴打して

足の皿の骨を折る。

救急車を呼ぼうとしたが、父親が「緊急患者搬送の妨げになるから朝までよぶな」と私を叱責する。

「でも痛いんだろ?」と聞くが「我慢する」と言う。そうとう苦しそうであぶらあせをかいていた。

自分が昔、骨折したとき、痛み止めのボルタレンの座薬を貰っていたことを思い出す。

たかが骨折ごときで痛み止めを使うなど男らしくないなどと、つまらない考えをもっており、

痛みをやせ我慢していたので、薬がのこっていた。それも、若いからできたことで、年老いた父は

やせ我慢しているものの、下手をするとショック死しかねない。ボルタレンの座薬を投与すると

すこし楽になったようだ。

朝になり、救急車を呼ぶと、父は「迷惑はかけられん」と言って這って救急車に行こうとするが、

うごけない。救急隊員に止められて、担架で搬送される。

搬送先の病院に連絡をとるが、かなり遠方の病院しか受け入れ先がない。母親がこのような状態で、

父を遠方の病院に入れられたら、両方世話はできない。その事を救急隊員に訴えると、理解してくれた。

そして、父親も、救急車に迷惑をかけられないと言って、搬送をとりやめることにした。

父は激痛に耐えながらそれから数日間、近隣の病院が入院可能になるまで我慢した。そして、

母が入院している病院に入れると前日確認をとった。「予約しなくていいですか」と確認をとると、

受付の女性は怪訝な表情をして「は?予約なんていらないですよ」と言った。「では、明日、当日来れば入院できますね」と言うと「はい」と視線を合わせず、女性は言った。とても申し訳ない気持ちになった。

当日、救急車を呼んで、搬送してもらうよう交渉するが、先約があるから予約なしでは入れないと

断られる。予想どうりだった。しかし、救急隊員が、数日待っている事情を説明してくれ、なんとか、特別に入れてもらうことができた。

父は救急車に迷惑をかけることになるからタクシーで行くと強硬に主張していたが、救急車を呼んで正解だった。これは心得事だ。

父と一緒に救急車に同乗し、病院に急行した。

私は病院の外で待っていたが、受付でヤクザっぽい男の人がどなっていた。

「どないなっとんじゃい!」とか大声で怒鳴って受け付けの書類を掴んで周囲に投げつけてあばれていた。

受付の女性の上司がやってきて、なんども平謝りしていた。おそらく、自分が無理矢理入り込んだせいで、

その人の診察がキャンセルになったのだろう。こりゃ、病院側も受付をしぶるはずだ。

そうした事情も知らず、申し訳ないことをしたなあと、心から反省した。

色々とどこにでも事情があるものだ。


本日は、個々までにしたく思います。


入院の記録

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