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第3段 或る貴族の0歳から4歳

※歴史的な間違いはご容赦ください。

 

※名前の話も、もういいですよね。


※ご感想をいただきましたが、その内容をパクったと思われるかもしれません。

 書きだめでやっています。さすがに平安物をやろうとした変人です。その辺りは考えています。



 俺は、ひいじいちゃんに頼んで0歳から4歳までの時間を圧縮してもらった。4年間は体内感覚的には一ヶ月で過ぎ去っていった。今日は、その間にあった事をかいつまんで話しておこう。


 そもそも、俺のこの世界における家族は父、藤原懐平ふじわらのかねひら。おじ、藤原実資ふじわらのさねすけ藤原高遠ふじわらのたかとおだったのだが、4歳のいつからか、俺はおじ、実資さねすけの養子になった。

 この事実を基に、俺の歴史知識をフル稼働させた結果、俺は藤原資平ふじわらのすけひらに転生したとの結論を得た。


 ところで、だ。ここが平安時代なら一夫多妻制なのだ。ハーレム作り放題なんじゃね!?と言うことを考えてしまったのだぁ!え、通い婚だからハーレムじゃないんじゃないかって?別に家広いし、3人ぐらいだったら一緒に住めるっしょ!平安のしきたりとか気にしないし!

 ただ、問題は女たちの顔なのだ。


 目がよく見えるようになってから気づいたのだが、ここの女たちは皆顔がむくれているのだ。これは、前に本に書いてあったのだが、確か肉類を食べないところから来る栄養失調が原因らしいのだ。

 平安時代は仏教的に肉が食べられなかったので仕方なかったかもしれないが。

 そうだ、なら仏陀も実は肉食ってたし、みたいな話をしてもっと、健康に気をつけさせるか!俺には未来の知識があるじゃん!

 

『おい、おぬし。そんな考えを今からしておるんじゃない。せいぜい元服してからせい』

 いきなり背後からユーレイが出てきた。このユーレイこそ、俺をタイムスリップさせ転生させた張本人(?)だ。なぜか赤ちゃんでもないのに、4年たった今でも俺には見える。この世界の知識は今のところこのじいさん、俺の、一応ひいじいちゃん、藤原実頼ふじわらのさねよりが情報源なのだ。


『えー、でもここにいる人たち皆具合悪そうだし、ハッキリ言って今現状ここにいる女たちが美しいとは思えないんだけど・・・』

『うむ、まあ否定はせんよ。ワシもユーレイになってから仏の真の姿を見て、ちょっぴりがっかりしたところもあったがな。』

 

 女の話をしてていきなり仏の話!?てかなんだよ、がっかりしたところって。というか、あんた単体ならタイムスリップは何回でも出来るのかよ!?


 さて、俺は藤原北家小野宮流の家に生まれた。家族は皆、学識のある貴族なのだが、問題は俺が転生した資平すけひらの孫辺りから同じ藤原北家の九条流―あの道長や頼通よりみちの家系だが―が摂関政治で力をつけてくるので、没落していくのだ。

 俺としてはそんなの嫌なので、とにかく摂関政治を止めさせることを当面の目標に設定した。そうすれば、俺の子孫たちが困らなくて済むだろうしね。

 

『おい、資平。おぬし、同族で足の引っ張り合いをするつもりか?』

『足の引っ張り合いなんかしないよ。ただ、俺の子孫が困らないようにするだけ』

『おぬしも悪よのぉ・・・』


 おい、それは江戸時代のネタだろ。


 あ、そうだ。俺はこの四年間、肉をほぼ喰っていません。寂しいです。野菜と魚だけの生活なので、俺の顔も周り同様、少しむくれ気味。あと、周りの人たちが臭いのは、風呂にほとんど入らないことが原因だとわかった。だから、2歳にして、自分の臭さに愕然とした俺はとにかく、毎日風呂に入れてもらった。

 そう!あと面倒なのが占い!風呂に入るのも何するにもあんなよく分らないデタラメ信じて事を進めるから見ていてイタイのだ。俺もそのデタラメのせいで幾度と無く風呂に入れなかった。なんか、油脂の落ちた毛穴から悪霊が入るらしいよ。俺、風呂入ってるから逆に周りより健康体なんだが。


 ただ、鏡に映った俺の顔が中々の美形だったことに唯一救われた。これは、ハーレム計画も順調に推移するぜ。でも、みんなくさいし、顔がむくれてるし、とどめに白塗り眉なしお歯黒とセンスは最悪だからなあ。こんなんで、ハーレム作ってもブスばっかになりそうだわ。

 

 いいかい、この時代の女たちは『あさき〇めみし』みたいに綺麗な人種じゃないんだよ。


 あ、そうだ。さらに不思議なことに、この世界は平安時代のはずなのになぜか平成のラブソングの歌詞を書き起こすと、みんなして俺を天才とヨイショするし、琴には自信があったから同じ曲を琴で弾いても天才と言われるのだ・・・。

 なぜかこの世界の人たちは、俺というか現代人と感動する部分を共有しているようなのだ。しかも、考えてみたら現代語で普通にコミュニケーションできてることも考えてみたら不思議なのだ。だいたい、大学入試で古典が出来るのと、話せるかというのは違うのだ。


 しかも、さらに厄介なのが年端のいかない子供がそれをやってしまったものだから、京中が騒ぎ立てたものだから、俺の人生計画より早く帝に謁見したのだ。

 俺の人生計画はそこそこの位になるまでは息を潜めておいて、中納言ぐらいから九条流に大どんでん返しを食らわせる予定だったのに、こんな小さいうちに注目されてしまったためその計画は、一瞬にして崩れ去ったのだ。うおおおおおおおおお!(悲)


 そのすぐ後に養父、実資の家に来たのだ。困ったのが、さらに学をつけようと、俺にやれ歌だの漢詩だのを教えてくるのだ。正直面倒くさいっす。でも、気を損ねさせて出世できないのも嫌だからやってるけど。

 ただ、歌も漢詩は俺が作ったのを先生に見て貰うと、先生がほとんどを添削して返してくれて、それを書き直したものを作品にしてる。


 出来の悪い人でごめんなさい。先生。

 

 最悪、短歌は後世の歌集からパクればワンチャン何とかなるっしょ。大体、現代人の俺に、短歌の何を期待するの?だからその辺りをパク・・・え?い、いやぁ、さ、参考にする程度ですよ・・・。はははは。


 まあ、それはそれとして、俺はそろそろ次の計画を実行しようと考えている。それは・・・


 俺の部屋を探すのだ!


 拍手!・・・。え、何でまだ探してなかったんだって?仕方ないじゃん。この家来たの超最近の話だし。しかもあの部屋に行けばこの時代に関しての資料は十分に集まるのだ。絶対に探さないといけないのだ!


 じゃ、また!

 

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