第23段 ここは・・・現代っすね。
目が覚めた。
天井はくっきり見える。てことは赤ん坊じゃない。かといって、その天井は真っ白でコンクリート製。やべぇ、コンクリートとか懐かしすぎて泣けるわ。
てことは、俺は現代に戻った、ってことかな。
「あ、目覚めましたか。待っててくださいね、先生呼んできますから」
看護師さんが気づいた。
病院。現代。俺は暫く昔の世界にいたが、何か歴史は変わってるのかが凄く気になった。まあ別に、歴史に残るほどの大きなことをした記憶などまったく無いが。
俺はなるがまま医師の診察を受けた。俺はどうも、家の前で血を流して倒れていたらしく、京大病院に救急搬送されたらしかった。
俺は5日後、無事退院した。俺は転生したと思っていたが、どうも魂だけ過去に飛んで行ってた状態だったのかもしれない。いや、でも左腕にはしっかりエグイ傷があるけどなあ。周りのことは転生(仮)前と何ら変わった事はなかった。
俺は大学に久しぶりに行った。図書館で藤原資平の事について調べてみたが、記事の扱いはクソ親父実資に比べて圧倒的にすくなかった。しかし、気になるのは、備考欄に「入浴健康法の先駆者」「目安箱を考えた」「施薬院などに次ぐ医療施設の開設」と書かれていた。
つまり、歴史は変わった、ということだ。小さなことではあるが。
退院して、1ヶ月。俺は、12年前の記憶を何とか探り探り、今の時代を無事に生きていた。
ある日、俺は大阪の大学に行った高校の友達(自分で言ってて懐かしいわ)の家に泊まりで大阪の某テーマパークに行くことになった。
大阪駅に車で迎えに来るから電話しろと言われた。
と言うことで、俺は大阪まで電車で行くべく、京都駅に来た。この日は休日と言うこともあって、結構混んでいた。未だに慣れない混雑の中、ほぼ成るがままだった。
何とかホームの先頭にたどり着き、次の新快速を待っていたときのことだった。ガシャン!という鈍い落下音がホームに響いた。いや、別に響いては無いよ、ただの表現だわさ。
みな驚きて見るに、ベビーカーがホームから線路に落下していた。まだ、接近警報は鳴ってないが時間の問題だろう。母親が線路に降り、た。やっべえ、この母さんめっちゃ肝っ玉やわぁ。かと言って、女1人で何か出来るわけでもなく・・・、俺は数人の客と共に線路に降りた。
まあ、この時点で十分雲行き怪しかったんですけど・・・。
既に接近警報が鳴り始めていた。誰も緊急停止ボタン押してくれないってどういうこっちゃ!しかし、駅員達もこの混雑で中々近寄れないようだった。
ベビーカーと赤ん坊、そして母親、客1人をホームに押し上げたところで、さすがにもう危ないと言うことで、数人の客と共に線路脇の避難エリアに行こうとしたとき・・・。
「いってぇ!」
一緒に降りていた50近くのじいさんが線路の中で転んでいた!俺が近寄って、担ぎ上げようとしたそのとき・・・
プァァァァァン!
223系新快速の警笛が鳴り響いた京都駅。その後はもちろん、運転見合わせです。
てかさあ、俺この2話で死にすぎでしょ!こんなにすぐ死ぬ主人公って一体どうなの!?
俺、次こそ西方浄土におさらばかな・・・。
また、死んでしまいました・・・。




