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第22段 いざ、丹波へ。

 お久しぶりです。すみません、いろいろ忙しくて。

 明けて翌週。俺は丹波守として丹波国へ出発した。見送りには、懐仁さまが直々に御幸ぎょうこうしたほか、道長さまなどのほか、親しくしていた人たちが集まってくれた。


 俺は、自分の使用人のほか、丹波国衙から派遣されてきた役人と京を出た。


 丹波国の国府は、平安京から26キロメートルくらいの場所、今で言う亀岡の辺りに有り、京からは歩いても半日あれば着く距離だ。道中は特に何も無く、平和に進むことが出来た。この時代、山賊に襲われる、なんて話はざらにある。まあ、京に近いから警戒が厳しいってのもあるだろうけど。


 俺は、庶民に好かれる良き国司をアピールするため、紫式部の父、藤原為時がやったらしい、馬から降りて庶民と積極的交流、をすることにした。


 やっぱり、イメージ戦略において初見は大事だしな。

 俺は、京を朝方出発したので丹波の国境の農村にたどり着いたのは昼過ぎだった。ちょうど、午後の作業を農民達がしているときだった。

 この地域は米の他に畑作も盛んな地域だ。しかし、北陸の米どころ、越前には足元にも及ばない。現代だったら、おいしい栗とかあるが、この時代そんなブランド栗は無い。あっても意味が無い。どうせ地元民しか食べられないから・・・。ブランド食材は他の地域から評価があって初めて成立するのだ。その地域だけでは意味は無い・・・おいしいものは沢山あるんあけどなぁ。



「わー、お役人様が来たよー!」

「ほんとだー!」


 そこに、4歳くらいの子供達が近づいてきた・・・この国では役人が悪い印象を持たれているわけでは無いようだ。その辺は安心した。俺は馬から降りた。


「こんにちは。皆はここの近くの子かい?」

「うん。そこ」

「うちはそこ」


 数人の子供達が様々な方向を指すが、概してその先には農民達が働いていた。俺はそのうち最も近いところに居た農民のところへ行った。


 


 俺は、農民達に話を聞いた。不満に思っていることも正直に話してもらったつもりだが、やはり役人の手前、そうもいかなかっただろう。

 しかし、この国では国司というより郡司や里長たちのほうが悪徳らしく、その辺は改めて対処しなければならないなと思った。

 俺は再び馬に跨り、農民達に別れを告げ国府へ向かった。





 着いたぞ、丹波国府。

 

 翌日以降の引継ぎも滞りなく進み、俺は正式に丹波守となった。


 俺は国司となってからも精力的に任地の中を周り、庶民の声を拾い上げようと努力した。しかし、それを聞こうにも俺の周りには常に問題の根源と思われる郡司や里長たちが張り付いていたので、聞いてきた声が彼らの本音だとはとても思えなかった。

 


 どうしたら、庶民の本音や本当に必要なことを聞きだせるか。

 秘密裏に部下を送り込む、俺自身がお忍びで行く・・・。どれもこれも現実的ではなかった。事が露見した時の対処が難しくなる。


 悩みに悩んだ末に思いついたのが、かの江戸幕府8代将軍、徳川吉宗公が考えた目安箱制度だ・・・てかまだ生まれてないから公じゃないか・・・。


 この時代にも鍵はあるので、国府の正門前に設置して鍵は俺が保管しておいて他の人間が見られない様にする。毎月2日11日21日の三日間、投書する人間の姓名、住所とかをきちんと書かせるようにして・・・。

 


 と、言うことで。俺の丹波赴任3ヶ月目にして早速目安箱を設置しました。

 もちろん、郡司や里長の中には強硬に反対する輩もいたし、政権中央からも待て、が掛かりそうになったが、道長殿と懐仁やすひとさまに話を通して、朝廷の方の反対論は抑えてもらった。


 目安箱への投書は思ったよりも多く、老若男女、身分の高低問わず様々な人からの意見があった。その中でもやはり食料や医療事情に関しては相当数の投書があり、俺はその結果を踏まえて、国内の郡衙に超低価格の医療費だけで治療を受けられる診療所のような設備と、俺やその周りの人間が京でやっていたような健康法を書いた冊子を同じく各郡衙に配布して、民衆に広まるようにした。





―――――――――――――――――――――ー




 民衆からの評判は上々だった。さすがに国司の権限では食糧事情はどうにも出来なかったが医療方面では中々だった・・・しかし。


「資平殿!どういうことですか!民衆ごときにここまでのことをするとは!」

「都から使者が来たからと言えば、そんなことですか」


 どうやら、俺の国運営に納得のいかない過激派保守勢力(笑)が乗り込んできたのだ。どうしても診療所を取りやめにしたいらしい。


「これは丹波守である私の職権の範囲内です。帝からの勅裁も頂いております。お引取りください」


 しかし、外見12歳の子供に言われた程度で引き下がるはずも無く・・・。


「おい、その歳で国司だからって付け上がるんじゃねえよ。ガキの分際で」




 結局、丹波介(次官)が兵士を連れて止めに入るまで小一時間半分恫喝のような要請に付き合わされたその夜・・・。


 俺が国司私邸で寝ていると、深夜急に騒がしくなった。どうやら侵入者のようだった。何事か、と俺が外に出たら・・・過激派の御襲来だった。やれやれ・・・とそのとき。


「よお、資平。さっきはどうも・・・」


 後ろから太刀を突きつけられた。応戦すべく、腰を探ってみたが・・・。そこにはいつもならあるべき筈のS&Wコンバットナイフは無かった・・・寝る前に枕元においたままだった・・・不覚!


 



 刃物による反撃を封じられてしまっては、徒手攻撃しかない。


「はあっ!」


 俺は、一旦身を低くし、キン〇マを狙おうとした・・・が。急に左の腕に激痛が走る。太刀で斬り付けられたのだ。


「くそっ・・・」


 やべえ。まさかのあのときの二の舞かよ。またさらに昔にタイムスリップか・・・。





 俺の意識はそのまま無くなった。

 続きも作成中です。早めにあげられるようがんばります。

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