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第19段 初めてのお仕事です。

 仕事初めです。

 貴族の朝は早い。


 基本的には朝の3時に起床する。そして、6時から7時くらいの間に出勤する。

 その3時間くらいの間何をやるか?


 北斗七星に祈祷したり、吉兆判断したりとよくわからない事をしています・・・一般的には。

 で、その結果如何では「物忌み」とか言ってサボります。

 ただ、俺はそんなもの端から信じてないので、4時起床です。そして、「物忌み」もしないんで労働基準法違反だけど週休1日でがんばります。


 何でそれでも2時間前かというと、この時代の公家装束は着るのに時間がかかるからだ。それに、朝飯を食べずに出勤するのが一般的な中で、俺は朝しっかり食べないと元気が出ない。だから、白米と汁物、漬物を食べるからだ。

 もちろん、現代の感覚で言えばこの朝食は少ないかもしれないが、食べたとしてもお粥を少し、のこの時代では十分多いのだ。


 他にも、朝起きてから日記を書く。しかし、俺はそんなものを朝っぱらから書くのはいやなので、夜の内に『部屋』にあるパソコンに打ち込んでおいた。


 そして、この時代、歯磨きは器用なことに楊枝でやっているのだ。でも、そんなんでキレイになるわけも無いので、俺は一貫して指に塩をつけて歯を磨く「塩磨き」を続けてます。だいぶ前から。



 そして、仕事は午前中で終了。


 


 ・・・まあ、あえて言うなら朝の情報番組のアナウンサーみたいな生活をしているのだ・・・




 さて、説明はこの辺にして、そろそろ出掛けようか。俺の個人的必需品はセイ〇ー製のアナログ時計とスミソニアン&ウエッソン製のコンバットナイフの2つだ。


 最悪、これだけあれば生き延びられる自信がついた・・・主にこの1年で。



 


 俺の仕事は侍従。帝の御傍について身の回りの世話であったり、警護をしたりする。それ故に、勤務時間も規則正しいわけでない。

 だがしかし、今は一応新人で宮中のことは右も左もわからない(設定)だから、暫くはガイダンスと言った感じらしい。

 



「今日から暫く君たちの指導役となる、清原元輔きよはらのもとすけだ。よろしく頼むぞ!」



 今年の新人の侍従は計7人。高級貴族の子としていきなりの任官が3名、その他4名が他の部署での勤務を経ての任官だ。

 帝と直接接する機会があるということで、特に高級貴族の子達が親のコネで任官することの多い職だが、他の部署である程度働いて、そこで実力を認められここに来る人も多い。



 聞くところによると、侍従の若手には武術訓練があるらしい。種目は様々あるらしいが、

その中で何か1つでも適正がないと、今後の昇進に響くらしい。

 俺の場合は拳法の心得があるからその辺は何とかなるだろうが。


 しかし、坊ちゃま方には肥満児が多い。俺が食生活改善のキャンペーンをやったから、摂取栄養量は上がったのに、貴族の子供なんてほとんど動かないからぶくぶく肥えていくのだ。




 簡単な業務説明を終えて、少し遅めの13時に終業となった。俺は懐仁やすひとさまに呼ばれていたので、そのまま内裏に向かった。


 

 ・・・この格好、歩きづらいのでどうにかなりませんかね・・・。


「お久しぶりでございます。懐仁さま」

「おお!久しぶりやなぁ!さあ、こっち来いや」


 俺はそういわれて多くの貴族やそのガキ共の目の前で御簾の中に入っていった・・・懐仁さま、後で面倒なことになっても知りませんよ?


「ここんとこ、全然来えへんから、全く練習できひんかったわ。今日少し付き合えや」

「はあ。別に問題ありませんが・・・」


 と、言うことで。暫く練習に付き合うことになりました。




「まったくなあ。資平、お前誰に習ったらこんなに上手くなるんや・・・。練習する時間もそこまで無いやろ」

「まあ、筝に関してはほぼ独学ですから(うそ)。練習もほどほどにはしておりますし」

「そうか。まあ、お前は今日から俺の侍従でもあるんや。よろしく頼むで」

「はい。心得ております」



 俺はそう言って退出した。時計を見ると午後4時。周囲も暗くなり始めていた。明日は初めての武術訓練が予定されている。早く帰ろう。



 ・・・ああっ!メシの時間だああ!

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