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第17段 藤原資平、始動!

 新帖です!


 竹千代から正式に「資平」になりました!

 どうも。久しぶりだな。


 俺は、ついこの前元服した。ちなみに、『元服』というのはどちらかと言えば後世になってからの言い方で、平安の世では『初冠ういこうぶり』という。


 要は、『まげ』の元となる『冠下のもとどり』を結って、冠をつける儀式のことだ。まあ、はっきり言ってつまらない儀式だった。

 神社の社殿で束帯に着替えさせられて、髪を結いあげて、冠を被った。それから、神官(要は宮司)が祝詞らしき事を言って、屋敷に戻って宴会。


 俺の元服で他の人たちと違ったことは、帝・懐仁やすひとさまと春宮・居貞おりさださまが特別に行幸されて、天下人・藤原道長殿も参加したことかな。


 通常であれば、いくら藤原北家小野宮流のような名家とは言えど、その時の最高権力者はおろか、帝・春宮さまが行幸することはまず有り得なかったからだ。

 これも、筝を教えていて、特別な縁があったから(懐仁さま談)らしいが。


 ちなみに、諱(本名)は史実通り『資平』に決定した。まあ、半分押し通した感はあるが。



 


 ―――――ちょっと誤算もありましたが、若いうちは比較的史実通りに進めたいもので・・・。




 俺は明日行われる、叙位で位階は史実通り、従五位下に任じられるらしい。


 ただ、ここでひとつ誤算が・・・。

 役職がどうも、いや、半分史実通りなのだが余計なものまでくっ付いてきた。


 ―――――侍従兼五位蔵人くろうど――――



 なぜか、蔵人にまでなるらしいですよ。

 まあ、儀は明日だから、何かの間違いであることを願うしかないけどね。







 ・・・結局、蔵人も兼任してました・・・。


 何でも、父親の権中納言・藤原実資さねすけは侍従だけで十分、と言ったらしいが、懐仁さまと左大臣・藤原道長がどうしても、と言うことでゴリ押しされたらしい。よくわからない。基本、政敵の息子をそこまで優遇するか?


 


 ・・・て言うか皆さん、俺の予定を狂わさないでくださる?



 


 まあ、しかしこれで名実共に貴族の仲間入りを果たしたわけだ。まあ、住処は今まで通り小野宮第だが・・・というか、ここを離れると俺の『部屋』にある現代文明のご利益に預かれないからな。


 ちなみに、風呂だったりおしろいの知識はこの部屋の『家〇の医学』だったり、高校の参考書・・・あとは何故か使えるネットから得たものだし。

 だから、これから地方に赴任するのは痛いのだ。



 

 で、俺はその話を聞いてから文乃ちゃんの家に行った。もちろん、馬に乗って。

 文乃ちゃんは俺の正体を知っているので、筝を教えに行くついでに、報告も兼ねて・・・。まあ、俺の前世が未来人だということは言ってないが。



「ごめん下さーい!」

 俺が、比較的大声で呼ぶと、奥から文乃父、こと吉備敏実きびのとしざねさんが出てきた。そして、俺の直衣姿を見て


「おお!竹千代くんか!ああ、そうか!君も初冠をしたのか!まあ、上がってくれ!」

「失礼します。あの、馬は?」

「ああ、その辺に繋いどいてくれればいいよ。君の馬は躾がよくて大人しいからね」


 そう、前だったらお付のものがいたのだが、内裏から直接、しかも元服した成人男子ということで、面倒だったので1人で来たのだ。


「で、文乃さんは・・・」

と、俺が文乃父に聞こうと思ったとき・・・

「ていっ!」

いきなり視界が暗く!また俺は死ぬのか!?



 ・・・ん?でも、目の周りが暖かい。声は・・・

「文乃さんか!」

「あったりー!嬉しいな、当ててもらったよ!」


 まあ、この家で若い女の子の声がしたらあなた以外いないでしょうしね。どうやったら外せるのか聞きたい・・・。



「で?君はどうなったんだ?今日は叙位の儀だろう?」

「ええ。その報告も兼ねて参りましたから。結局、位階は前言ったとおりですが官職が侍従に加えて蔵人にも任じられました・・・」

「ほう!そうか!良かったなあ!」

「良くないですよ・・・。侍従だけならともかく蔵人は多忙を極めますから」


 といったその時、ふいに文乃一家の表情が暗くなった。


「という事は、もうあまり家には来れないか・・・」

「時間はつくるようにはします。何せ冠を被る前からの大事な俺の生徒・・・いや親友ですから。文乃さんは」

「おお。是非そうしてくれ!」

「まあ、今日は時間もありますし!久しぶりに筝の指南をしましょう!」


 ここ最近、初冠の儀やら何やらで教えている、懐仁さま、居貞さま、彰子、文乃ちゃん全員にレッスンができていなかったのだ。


「じゃあ、やろうか!」

「はい!」


 こうして、また筝の時間が始まった。

 懐仁さまや居貞さまと違って、文乃ちゃんは筝のセンスがいい。平安の世で基本といわれる曲、さらに平成の世で基本といわれる曲はほぼマスターしているので、最近は俺が和楽器用に編曲した、あるいはされていたJ-popの曲を練習している。

 下手すると、俺よりも筋がいいかもしれない。俺が前世で習っていた師匠に習えば俺をあっという間に追い越すかもしれない。



 そして、俺は文乃一家にあることを聞こうとしていた。

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