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第12段 夜の京都にて

戦います。

 すっかり遅くなっちまった。家を出たのは夕方の5時過ぎだったが、六条をすぎたあたりで暗くなってきた。

 こうなってくると心配なのが、盗賊であったり・・・まあ、一般的に悪いヤツらの襲撃?だろうか。

 まあ、8人の所帯に突っ込むやつもいないと思うが。それに、警備の舎人には優秀な人材をつけてある。心配は無いだろう。


「ねえ、竹千代くん?」

前から文乃ちゃんが話しかけてくる。

「何?」

「なんで君は、あんなにすごい貴族なのに、私たちとなんか遊ぶの?」

「それは・・・」

 俺は困った。ここで俺が実は未来から来た人間だと言う話でもしないと、説明がつかない。いままで、こんなことをした貴族はいないだろうし。


「なあ、文乃ちゃん。笑わずに聞いてくれないか。あと、この話を聞いても秘密にして、これからも一緒に遊んでくれるか?」

「え?うん。もちろんでしょ!竹千代くんは私の大事な友達なんだから」


と、そのときだった。


「ちょーっと!とまってもらおうか!」

「な!何だ貴様ら!この方をなんと心得・・・」

「るせえなあ!おい、やれ!」


 心配していた、盗賊の襲撃だった。京は上のほうは比較的治安がいいが、やはり六条以降は治安が悪くなっていく。しかし、今回の盗賊は6人。まだ、小規模なほうだ。


「竹千代様!お逃げください!」

「よし!文乃!来い!」

と、その時、目の前に大きな影がたった。そこそこの体に刃こぼれした太刀と呼べるか怪しい大きさの刀。


「ちょっと、逃げようたってそうはさせるか。坊ちゃんっと!」

男はそう言って刀を振り下ろした。しかし・・・。その刀捌きにはムダが多すぎた。開きすぎた腋、大きすぎる振りかぶり、そして何故か入っていない腰。そして何より、刀のスピードが遅い。

 こんなのは、女の子を連れている8歳児でもよけられた。

 何で、こんなんが盗賊できんだよ!?


「くそっ!何でだ!」

「文乃!下がってろ!」

「くらえええ!」


 今度は本気を出してくるか?と警戒したが、さっきと全く変わらなかった。


 俺は男の懐に潜り込み、キン〇マを握り、すねの急所、甲利を蹴る。すると・・・。


「あががががががっが・・・」


 さっきまでとは打って変わり、男は地面にのた打ち回った。その手をもって、肩を固める。そのまま、肩から垂直に腕をあげて、真上から手の甲に打撃を加える。例の『部屋』に入るとき、俺が実資にやったことと同じで、肩と手首の関節が外れるやつだ。


「うぶっぶぶぶ・・・」


 キン〇マにすね、さらに肩と手首の痛みで男は最早身動きが取れなくなっていた。

 その時。


「きゃああああ!」

 文乃ちゃんの叫び声。

 その声の方向を見ると、リーダー格と思われる男が、舎人たちを前にして、文乃ちゃんを人質に取っていた。

「やめろ!離せ!」

舎人の1人が叫ぶが効果はない。

「動くなよ。妙な動きしたら殺すぞ」


 俺はこいつをるしかないと思った。俺は懐からスミソニアン&ウェッソン製のコンバットナイフを取り出した。コイツは俺の部屋に保管してあったやつだ。タイムスリップの3日前に届いたものなので、ナイフ的には全然新品だ。

 いざ、と言うときのために携帯しておいたのが功を奏した。

 相手は、未だ舎人に気をとられてナイフを持った俺には気がつかない。


「早く馬をよこせ!」

 男がそう叫んだ刹那。

「死ねやああ!!!」

 俺はファーストタップでメジャーターゲットの股間を下から一刺しで捻りぬき、さらにそのまま大腿部を切りつけ、さらに逆手に持ち替えて倒れた相手の首を刺す。男はもう抵抗しなかった。このままでも、出血多量で死ぬ。

 少しやりすぎたか・・・。


 その横には男が倒れた衝撃で投げ出された文乃ちゃんが横たわっていた。

「文乃ちゃん!大丈夫か!?」

「ああ、竹千代くん。ありがとう。きみって強いんだね」

「そうだな」

「竹千代様!大丈夫ですか!?」

「大丈夫なわけあるか!なにやってんだ!」

「も、申し訳ありません。それより、血をお拭きください」

「あ、どうも」


 気づかなかったが、俺の顔を触るとねっとりとした感触があった。恐らく、キン〇マつぶしと太ももを切ったときに返り血を浴びたんだろう。

 そして、周りには野次馬が出てきていて、検非違使の連中もこの騒ぎを聞きつけ出張ってきた。登場したのは検非違使すけ源時宗だった。普段から仲良くしてる人だ。


「何事か!検非違使だ!通せ!」

「な、何だこれは・・・」


 さすがに血を噴出す大男と短剣を手に持ち大量の返り血を浴びながら女の子を介抱する8歳児だ。インパクトも強いだろう。


「こ、これは・・・。竹千代様!な、何事ですか!」

「時宗さま、これは明日、検非違使庁に出向いて話をするから、今日は勘弁してくれ。それと、このもの達の亡骸をどうにかしておいてくれ」

「は、はあ。では明日。お待ちしてますぞ」



「悪かったな。よし、行こうか」

 俺と文乃ちゃんはもう一度馬に乗り、家に急いだ。

 と、八条に差し掛かる手前で

「文乃っ!!!」

「おおっ!いたか!」


 あれマー・・・。文乃ちゃんの両親が現れた。きっと、あまりに帰りが遅いので、野次馬ついでに出てきたのだろう。


「まあっ!どうしたの!そんな青い顔して」


 さらにそのまま俺と従者達を見て事情を察したらしい。


「ま、まさか・・・。竹千代くんが助けてくれたの?」

「竹千代くん、すっごい強かったんだよ・・・」


 もう、文乃ちゃんも半泣きだ。それもそうだろう。あんな恐怖体験をしたのだ。無理も無い。


「あ、皆さん、ちょっと待っていてくれ。あと、竹千代くん、ちょっと中に・・・」


 そういえば、文乃ちゃんの父親には初めて会った気がする。




 俺は文乃ちゃんの家の中に上がった。そこで文乃父が話してきた。


「ええと、君が竹千代くんか。噂は聞いてるよ。今度、筝を教えてくれ。ははは・・・。ところで、何があったんだい?」


 ・・・。筝の話を知ってましたか。

 戦闘シーンは初めてだったため、ものすごく変な文章になってしまいました。すみません。


 また、主人公がまだ子供なので、半分チートじみたことをさせたことも重ねてお詫びします。


 後々書いていく部分では戦闘シーンの描写もしっかり書いていきたいですし、もう少しまともな戦い方をさせます・・・。

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