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第1段 或る庶民大学生の死

※完全自己満足で書いてます。


※歴史的に間違いな部分があるかと思いますが、あくまでフィクションと言うことでお楽しみいただけるとよろしいかと。


※平安時代、人を名前で呼ぶことはタブーでしたがここでは便宜上、号や官職名と共に名前も使います。

 俺は、ごく普通の、庶民の大学生だった。ただ、自慢できることは努力の甲斐あって、京都大学に行けたことだった。 

 親父は私立の大学で歴史の研究をしていたので、俺にもその辺に関してはそこそこの知識はある。俺自身まあ、特別なこともない。少林寺拳法に関しては四段はとることが出来たけどね。


 今日はこれから激しい雨が降るようだ。俺は友達と帰り、家に着くころ、雨が降り始めてきた。俺の家は京都市の烏丸通と竹屋町通の一本裏の両替町通と竹屋町通が交わる辺りの一軒家だ。烏丸通は日中、車どおりの激しい通りだが、一本入れば静かな住宅街と言うのはこの街ではあるあるだ。

 

 夕方を過ぎてくると雷鳴がいっそう強くなってきた・・・と、その時目の前の窓が真っ白な光に包まれ、俺はその閃光ショックで気を失った。


 意識を取り戻したのはそれから1時間後だった。手元には開き放しのパソコンが、見ていたアニメ映画をまだ流し続けていた。そろそろ飯の時間かと思い、リビングへ行くため、部屋のドアを開けると―――――


 そこはいつも見慣れた家の狭い廊下ではなく、広々とした屋敷の外廊下だった。いやぁ、3回ぐらいドアを閉じたり開けたりしたけどね、全く景色は変わらない。

 仕方がないのでその廊下を進んでみることにした。仕方がないのだ。この部屋には食物がないので、食物を得るためにも外に出た。いや、出ざるを得なかった。うん、そうだ。


 と、その時だ。教科書かなんかで見たことのあるような舎人とねりのような服装をした人たちに遭遇してしまったのだ。と、いきなり言われたのが、こうだったから驚き。

 「む、何者だ貴様!この屋敷に無断で立ち入ろうとは!」

 「い、いや・・・ちょっとこれには事情が・・・話せばわかりますよ・・・」

 その時男は俺に向かって刀を抜い・・・た!なんで!?ここ平成だろ?殺人罪じゃないのぉ~!

 「問答無用!!!!」

 

 5・15事件か!!!!!!しかし、そのツッコミは声にならなかった。首をすっぱり斬られた。

 自分の首元から血が噴出してきた。ほとんど痛みは無かった。

 

 苦労して京大に入ったのに、こんなよく分らないところで死ぬとは。まだ俺のムスコは一度も使わなかった。

 くそ、俺は前途洋々の未来を約束されたんじゃなかったのか。

 まだやりたいことは沢山ある。

 

 こんなことなら人生もっと楽しんどけばよかったなあ・・・。

 今更ながらそんな事を思った。

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