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夢冒険  作者: 如方りり
8/8

番外編「おやごころ」

勇介の卒業式で着る服を買いに夫婦で出かけた日のこと。


「今の家とも、もうすぐお別れね」


妻が感慨深げに呟いた。

結婚してからだから…もう13年経つ。


「新しい家を気に入ってくれるといいけど」


「そうね。なんたって、あなたの会社が手掛ける巨大テーマパークが目の前だもの」


「完成は、まだまだ先だけどな」


2年後にオープン予定のテーマパーク建設が始まり、一家の大黒柱は仕事の拠点を現地に移さなければならなかった。

「栄転じゃない!おめでとう。単身赴任なんて、させないからね」

そう言ってくれた妻の言葉が心強かった。


「ちょっと見に行ってみるか?」

「えっ、いいの?」

「まだ一部分しか出来てないけど」


土日は工事業者も入らない。

誰もいない駐車場に車を停め、鍵を開けて中に入る。


「すっごい!本物の森みたい!」

「ここはアドベンチャーゾーン。色んな仕掛けがある自然の中を冒険するコースなんだ」

「へぇ。あの子たちも喜びそう」


まだ名前のない森を歩きながら、目をキラキラさせる。

「今度近いうちに招待してやるか」

「本当に?だったら…」


だったら、私にいい案があるの。

そう言って妻はいたずらっぽく笑った。


勇介の小学校卒業祝いに、とびっきりの冒険を。

それから、まだまだ甘ったれな次男の悠太の成長を願って。


引越しの準備を進めながら毎日のように“計画”について話をする。

ーあなたの実家から、またリンゴ送ってもらえないかな?

ー私の仕事の仲間と…それから姪っ子も呼んでいい?

いくつかのパターンを用意した上で、危険な目には遭わせないこと、何かあった時はすぐに中断することを念頭に考えた彼女の“計画”は完璧だった。


「どうかな?」

「さすが、売れっ子脚本家だよ」




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