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派遣魔王アルヴィ  作者: 城見らん
第一章 アダマース攻略編
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第十四話 アダマースの死闘(前編)

第一章 最終話となります

 タナトスが通路の奥に現れた敵集団に向かって、駆ける。刀の鯉口を切りつつ肉迫。直前で跳躍し、自らの体を死地へと放り込む。


「ふんっ!」


 タナトスを中心として、銀色の軌跡が円を描いた。

 胴体は支えを失い地面に落下。彼らは斬られたことに気づくことなく命を散らせた。

 血飛沫と臓器が飛び散る惨たらしい情景であるにも関わらず、その一連の動作には芸があり、気品すら感じられる。


「これでこの階の制圧は終了ですな」


 タナトスは刀を振って血を落とすと、それが納まるべき場所に返した。

 アルヴィたちは、アダマースに侵入した後、各個撃破で制圧を開始した。アルヴィの予想通り、城内には敵兵の数も少なく、ほとんど誰も欠けることなく進むことができた。というよりも、ほぼタナトス一人で制圧したというのが正しいのかもしれないが。

 

 アルヴィはタナトスを見やる。

 

 周囲を囲まれることの少ない狭い城内では、個々の力が重要となる。彼はそのことを、身を持ってアルヴィに教えてくれた。タナトスは神速の剣舞で敵を圧倒。後ろに敵を打ち漏らすことなどほとんどなく、アルヴィが戦うことすら許してくれなかった。配下の魔族たちも彼の手腕を眺めていることがほとんどで、拍手などを送る始末である。


 一階,二階の制圧は完了し、残すは最上階のみ。


「よし、では三階に上がろう。ソフィア、案内できるかい?」

「はい! こっちです!」


 先ほどタナトスが始末した兵士の間を、何事も無いように走り抜けていく。


 この子は本当にすごい娘だ。


 アルヴィは改めて感心する。ソフィアはタナトスが敵を屠る姿に、何の呵責も感じていないようだった。『人間を殺すことに罪悪感はありません』さも当然と言わんばかりに彼女は淡々と語った。

 実際ソフィアが直接手を下すことはなかったが、死屍累々の山を前にして颯爽と駆けて行く姿は、彼女もまた少女の皮を被った化け物だということをアルヴィに伝えるには十分なものだった。


 階段を上ると、先ほどとは討って変わった広い通路に出た。等間隔で壁に設けられた燭台、大理石の床。左右にはいくつもの扉がある。今のところ敵の姿はない。

 アルヴィたちは一つ一つ部屋の中を確認していった。どうも生活階になっているらしく、寝具が置かれた部屋、また執務室のような部屋も見つかった。だがやはり伏兵は存在しなかった。

 アルヴィたちは再び通路に出る。


「これで部屋の中は全部覗いたかな?」

「はい。残すは――」


 タナトスが視線を通路の奥に送る。

 そこにあるは重厚な鉄の扉。天井まで届きそうなほどの巨大さで、静かにその門が叩かれるのを待っていた。


「謁見の間――王の間のみです」


 言葉の端々を強めつつ、タナトスは言い放った。

 やはりこの場所は、特に想い入れが強いのだろうか、ソフィアも懐古の念で扉を見つめている。


「よし、行こうか。ここで最後のはずだ」


 アルヴィは先頭に立ち、王の間へと近づいて行く。扉の手前で止まると、目の前に聳え立つ鉄の扉を見上げる。


「ここが、僕の――魔王のいるべき場所……」


 ゆっくりと扉に手を触れる。ひんやりとした鉄の感触が心地良い。

 扉の両脇に配下たちが立つ。

 アルヴィはそれを確認すると、手を離し、厳かに言い放つ。


「開けろ!」



 ギギギギギギギ



 金属の磨耗する音を通路中に響かせ、鉄の扉が巨大な口を開いた。



「よお! ようやく来たか、待ちくたびれたぜ」


 王の間には先客がいた。頬杖をつき足を組みながら玉座に座る男、短く刈り込んだ黒髪を乱暴に掻き毟りながらふてぶてしく見つめている。彼はアルヴィたちが扉を開けるや否や、やや挑発的な口調で話しかけてきた。


「どちら様かな? 僕は君のことは知らないんだけど」

「俺もお前は知らん。だが、そっちの奴は知ってるぜ?」


 男がビシッと指差した先をたどる。


「タナトスさん?」


 タナトスが唇をわなわなと震えさせている。拳を強く握り締め、今にも襲い掛かりそうな目つきで男を睨みつけていた。


「こ、こいつは……こいつは!」


 肩で大きく息を吸い、タナトスが言を搾り出す。


「勇者デジール! ルキフェル様を亡き者にした、憎き四勇者の一人です!」

「勇者? この男が?」


 アルヴィはあらためてデジールの顔を窺う。色黒の肌はまだまだ艶があり、二十代前半にように見える。しかし、ルキフェルが倒されたのは十年前、そうなるとこの男は当時まだ子供だったことになる。

 アルヴィの訝しむような視線に気づいたのか、デジールは自らの顔を指差して応える。


「ん? 何を不思議そうに俺の顔を見つめてるんだ? ああ俺の歳か、そんなもん忘れちまったね。なにせ俺は勇者だからな。不死……とまではいかないが、不老なのさ。最近ではそんなに珍しくないんだぜ?」

「いえ、十分珍しいです!」


 ソフィアが鋭いつっこみを入れる。

 そういえば、魔王試験に合格したときに、不老の特権を受け取るかどうか聞かれた覚えがある。そのときは、アルヴィは必要ないと突っぱねた。実のところ、十七歳で成長を止めたくなかっただけなのだが。なかなか難しい年頃なのである。

 魔王がそうであるならば勇者が不老であっても不思議ではない。アルヴィは納得したように頷く。


「えーと、デジールだっけ? 僕はアルヴィ、魔王です」


 “魔王”という単語を聞き、デジールは眉根を寄せる。


「魔王だ? あいつは確かに俺が殺したはずだが……ああ、機関からの派遣労働者か」

「ご名答、つい最近こちらに派遣されました。どこか懐かしい単語が聞こえた気がするけど、もしかして同じところの出かな?」

「さあな、似たような世界は捨てるほどあるからな」

「こんな場所でなければ、お互いの出身について是非とも語り合いたいものだね」

「そんなことより!」


 アルヴィは、珍しく会話に横槍を入れてきたタナトスを見やる。彼の翡翠色の隻眼は全くもって笑っていなかった。


「話の腰を折り申し訳ございません。しかし――」

「構わないよ、続けて」

「はっ」


 タナトスはデジールに向き直り、指を突きつける。


「ここ――アダマースは、今は帝国領。連邦に属しているはずのお前がなぜここにいる!」


 デジールは、『またか……』と呟くと、面倒臭そうに答えた。


「連邦は抜けた。規律で縛られるのが嫌いでね。今は帝国に雇われている。ここに来たのも、侵攻してくる王国軍を食い止めろっていう依頼を受けたからだ。しかし……想定外の獲物が釣れちまったな」


 デジールは肩をすくめ、大げさに驚いてみせる。どこか余裕を感じさせる立ち振る舞いであった。


「よもや、こんなところで勇者に出会えるとは……私も思ってもいなかったぞ!」


 言い終わるや否や、タナトスは刀を抜き、切っ先をデジールに向ける。


「ルキフェル様の仇、取らせてもらうぞ!」

「待って、タナトスさん!」


 アルヴィの静止はむなしく、タナトスはデジールに向かって走り出した。玉座までの距離を一瞬にして埋め、白刃を振りかざす。

 デジールは姿勢を崩すことなくタナトスを眺めている。


「ふんっ!」


 上段から流れる水のように落とされる刀。そのままデジールの頭に吸い込まれていくように見えた。


「な、なに!?」


 タナトスの刀は振り切ることなく空中に静止していた。


「遅すぎる。こんなんじゃ俺は斬れんぜ」


 デジールの細い指が刀の剣幅をしっかりと掴んでいる。


「く、くそ……!!」


 タナトスはどうにか刀を動かそうとするが、彼の愛刀”天井堕てんじょうおとし”はピクリとも動かない。

 すぐさま、デジールが空いた右手を腰の剣へと持って行く。


「きゃああ! タナトス!」


 ソフィアの絶叫が王の間に虚しく響き渡った。

 激しい鮮血を撒き散らしながら、タナトスが仰向けに倒れていく。


「タナトス! タナトス!?」


 ソフィアがタナトスに駆け寄ろうとするのを必死で止める。


「どうして止めるんですか!? このままじゃタナトスが!」

「落ち着いて! 今飛び出すのは危険だ! それに、傷はそんなに深くない。斬られる直前、後ろに飛んでいたから!」

「その通りだ。斬ったときの感触があまり良くなかったからな」


 デジールは抜き放った長剣を見つめ残念そうな顔をする。


「さあ、もうお話は終わりだ。こんなやつより、俺はお前と戦いたい」


 デジールはアルヴィに剣を突きつける。



 ブウン 



 空気が震える音が聞こえ、デジールの長剣が白く発光する。


「ソフィア、タナトスさんをお願い! 僕が勇者を引き付けているうちに、彼を救出するんだ。他のみんなは下がってて、巻き添えを食らわないように!」


 アルヴィは右手を闇色に発光させ、手刀を作る。


「ほう、肉体強化か。しかもほとんど無詠唱、魔法を固定化してやがるな」


 魔法はイメージである。頭に使いたい魔法を思い浮かべ、具現化する。この間にかかる時間が詠唱時間と呼ばれる。一般的に強い魔法になればなるほど、具現化するのには時間がかかる。しかし、この詠唱時間を大幅に短縮できる方法が一つだけある。それが魔法の固定化だ。

 固定化とは、魔法をイメージする媒体を脳ではなく身体に変換すること。簡単に言えば体に覚えこませることだ。しかし、固定化を行うためには、身体に魔法を覚えこませる間、できるだけ他の魔法を使わないようにしなければならない。そこでアルヴィは、使用する魔法を補助系統だけに絞ることで、通常は何十年もかかる作業を数年に短縮し、早い段階で固定化することに成功した。アルヴィが、攻撃魔法が得意でないのはこのためである。


「償ってもらう」

「は?」

「僕の配下を傷つける者は誰であろうと許さない! 例えそれが勇者でもね!」

「ほざけ!」


 アルヴィは地面を蹴る。アルヴィの立っていた場所周辺が陥没する。距離という概念が初めから無かったかのように、デジールとの距離を詰め、一閃。

 アルヴィの初動をしっかりと見極め、デジールもまたアルヴィの動きに剣を合わせる。


 ガキン


 アルヴィの一太刀目は長剣で防がれた。アルヴィは構わず、そのまま一合二合と斬り結ぶ。剣が起こす風圧のあまり、彼の前髪は後ろに靡いている。


「チッ!」


 受けの態勢を嫌ってか、デジールは後ろに下がり、間合いを取る。両者ともしばらくの間睨み合い、静止。相手の隙を探り合っている。

 次に動いたのはデジール。長剣のリーチを生かし、アルヴィより遠い位置から踏み込んだ。

 アルヴィに対しまっすぐに振り下ろされる長剣。腕を剣と垂直になるように突き出し、これを凌ぐ。白と黒の光がお互いの色を侵食せんと鬩ぎあう。

 デジールは初撃が防がれたと分かるや、すぐさま剣を引き、強烈な蹴りをアルヴィに放った。


「ぐう!?」


 アルヴィに蹴りは当たらない。まるでデジールが蹴りを放つことを読んでいたかのように、素早く体を反らしこれを避けたアルヴィは、お返しとばかりに回し蹴りを放った。

 デジールはそれを何とか剣で防いだものの、その勢いは殺すことができず、吹き飛ばされてしまった。

 アルヴィは止まらない。素早く受身を取り、立ち上がったばかりのデジールに渾身の突きを入れるべく、腕を引き絞る。


 ニヤリ


 デジールが口角を吊り上げて笑った。


 その笑みが何かを意図したものなのか、それとも単なるおどしに過ぎないのか、アルヴィは一瞬躊躇するも、手を止めることはしない。

 この速さではデジールは剣を動かすことすらできないだろう。


 突きは通る。


 アルヴィはそう確信する、そのとき。


「閃光よ!」


 デジールの長剣から強烈な光があふれ出し、見る者全ての目を焼いた。

 閃光を直視してしまったアルヴィは思わず目を瞑ってしまう。


「くっ!」

「アルヴィ様!」


 臓腑をえぐるような衝撃を受け、背中から床に叩きつけられた。黒衣は切り裂かれ、赤黒く変色し始める。タナトスを抱え、遠くに避難したソフィアは青白い顔でこちらを見つめていた。


「対物理障壁を使っていやがったか……命拾いしたな」


 デジールは舌打ちをし、発光した長剣を振る。再び振動音を鳴らし、アルヴィの血を落とした。


「その剣は一体……普通の武器ならば僕の防護魔法を突破することはできないはずだ。それにあの閃光……魔法を使った形跡すらなかった……」

「聖剣クラウ・ソラス。勇者にのみ持つことを許される。その斬撃は岩をも砕くと言われている。また、所有者が念じれば閃光を発し、敵の目を焼く」


 デジールがふてぶてしい笑みを浮かべ、意気揚々に説明する。


「二度目はないぜ、魔王様? それにその右手も使い物にならなさそうだしな!」

「アルヴィ様、その手は!?」


 アルヴィの右腕からぽたぽたと新鮮な血液が流れ、床を濡らしていた。

 デジールの聖剣と切り結んだ際、憑依魔法を貫通して傷を付けられたようだ。指はまだ動くものの、このまま剣を合わせ続ければ、いつか必ず持っていかれる。

 アルヴィは顔を歪め、歯噛みする。


「大丈夫、ソフィアはそこで見ていて、僕は負けない!」

「強がるのも今のうちだぜ! ……うらあ!」


 デジールが高速で地面を駆ける。点から点への移動。アルヴィの目にも残像が映る。

 突如現れた光剣が横薙ぎにアルヴィを襲う。


「くそっ!」


 前方に身を投げ出すことで何とかこれを避ける。倒れこむ際に曲げた腕をバネのように使い、アルヴィは体を反転させながら体を起こす。


「死ね!」


 アルヴィが振り向いたとき、既にデジールは追撃の体勢に入っていた。疾風のごとく放たれた剣撃が、アルヴィの足を刈りとろうと、唸りを上げて接近してくる。


 間に合わない!


 即座に判断したアルヴィは床を強く蹴り、天井高くへと上昇。寸でのところでこれをかわす。


「やるな。だがこれはどうだ!」


 デジールが左手を空中のアルヴィに突き出した。同時に掌から光弾が次々と発射される。

 上下左右、全方向の動きを展開し、アルヴィはなんとかこれをやり過ごす。

 外れた弾が天井を削り、シャンデリアを破壊。轟音とともに王の間が揺れる。


「君の魔法も固定化じゃないか、人のこと言えた義理じゃないね」

「残念はずれだ。俺は固定化どころか詠唱すら必要ない。勇者だからな」


 デジールはそう言い放つとアルヴィを迎撃するため、空中へと自らを誘う。

 ついに戦いの場は空へと移行した。


「どうしたどうした!」


 戦場が空に変わったところでアルヴィの不利は変わらない。聖剣を防ぐことができないアルヴィは、ひたすら避けに徹していた。


 このままではまずい……


 飛び続けるアルヴィは苦悶の表情を浮かべる。

 デジール自身の強さに関しては問題ない。アルヴィが対処できる範囲だ。しかし――


「ぐうっ!」


 目の前を横切る聖剣クラウ・ソラス。これが一番の問題だ。これがある限りアルヴィは攻めに転じることができない。アルヴィの攻撃が防がれるだけで、こちら側が致命傷を負う。さらに、いつ飛び出すか分からないあの閃光。常に気を配っておかなければならない。

 視線の端でソフィアがこちらを心配そうに見上げているのが分かる。彼女が飛び出さないのはアルヴィの言葉を信じているからなのだろうか。


「っ!?」


 ふいに視界が真っ赤に染まる、頭は割れるように痛み、平衡感覚すら失いそうになる。


「クソ、こんなときに!」


 血の騒乱――アルヴィは短時間で魔力を使いすぎると、過度の狂乱状態に陥ってしまう。その場合、自己を保つのが難しくなる。これはその前触れであった。なぜこのような状況に陥るのかは、アルヴィ本人にも分からない。ただ、それが今、起こって欲しくないことであることは確かである。


「もらった!」


 わずかによろめいたアルヴィをデジールは見逃さなかった。立体的な動きでアルヴィの頭上を取ると、袈裟斬りを放った。

 目の中でどんどん巨大化してくるクラウ・ソラス。アルヴィに避ける手段は残されていなかった。即座に左腕に魔力を集め、黒の光を纏わせる。


「きゃあああ!」


 

 ズズズズズ 



 ソフィアの絶叫とともに、轟音が響き渡る。

 地面に叩きつけられたアルヴィは、そのまま床を突き破り階下へと沈んだ。


 アルヴィは地面に、仰向けに倒れたまま動けないでいる。上の階からは、何度もアルヴィの名を叫ぶソフィアの声と、デジールの笑い声が降り注いでいた。

 全身に力が入らない。アルヴィの視界は霞み始める。聴覚すら失われつつあるのか、ソファの声もデジールの声も徐々に遠のいていく。




(貴様は力を望むか?)




「な、何……だ……」


 朦朧とする意識の中、アルヴィの頭の中に響く声があった。


(力を欲するか、否か。早く選べ)


「そう……か……これは幻聴だ。そうに……違い……ない……」


 あらためて自分の弱さが露見したな、アルヴィは力なく笑う。しかし―


「――例え……そうであっても……」


 アルヴィは残る力を振り絞り、あらん限りの大声で叫ぶ。


「僕は力を望む!」

 

 刹那、アルヴィの体中を赤い光が覆う。その光は心地よく、痛みが引いていくように感じた。

 アルヴィは両腕を顔の前に持っていく。驚くことに、惨たらしい傷跡がきれいに無くなっていた。


(新たなる所有者よ、我は血を渇望する!)


「こ、これは!?」


 アルヴィの手の中に一本の黒い長剣が現れた。黒作りの鞘には金の装飾が細かに施され、禍々しい雰囲気を感じさせる。アルヴィは体を起こし、それを鞘から解放した。


 ブウン


 抜き放った刀身が紅い光を帯び、クラウ・ソラスと同じような振動音を放つ。

 剣から発せられる無言の言葉。アルヴィの中に膨大な情報量が流れ込んでくる。それは、この剣の記憶であり、本質。アルヴィの中にもう一人の人格が入り込んでくるイメージ。

 アルヴィは冷淡な笑みを浮かべた。これが何であるか、アルヴィには手に取るように分かる。


「お望みどおり奴の血を吸わせてやる! さあ、行こうか“ダーインスレイブ”」


 アルヴィは勢いよく地面を蹴った。


次回アルヴィの反撃が始まる!!

第十四話 アダマースの死闘(後編)は明日の16:00の投稿となります

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