第8話 砲撃許可と平和な日常
名前 さわかぜ
年齢(見た目) 16、17歳
身長 157cm
体重 軍事機密です
好きな物 ライトノベル アニメ 漫画
嫌いな物 会議 ニュースの速報
長所 知識だけはある
短所 感情表現が少ない
武器 64式76.2mm小銃
みねかぜ型護衛艦の次女。
アニメやライトノベルが好きでよく見ている。
感情表現が少なく無口で、たまにしゃべる時は何かのセリフをだったり相手に大打撃を与える言葉だったりすることが多い。
さざなみや浅間、陸奥などがよく被害を受けている。
また、そういう事を言う度に、みねかぜに怒られる。
名前 おきかぜ
年齢(見た目) 14、15歳
身長 157cm
体重 軍事機密です
好きな物 寝ること 楽しいこと 春
嫌いな物 安眠妨害 戦闘配備 会議
長所 どこでも寝れる
短所 人が起こそうとしても起きない
武器 64式76.2mm小銃
護衛艦『おきかぜ』の艦魂で、みねかぜ型護衛艦の三女。
いつでも寝ていて会議中も例外ではない。
また、人が起こそうとしても、例え殴ってもなかなか起きない。
春になると朝はずっと布団から出てこない。
ただ覚醒すると、それまでと違いすごく元気になる。
みねかぜによると、問題児ではないが寝ている時に運ぶのが大変らしい。
武力攻撃予測事態においては、武力攻撃の発生が回避されるようにしなければならない。(日本の防衛 防衛白書より)
第四護衛艦群が沖ノ鳥島沖で米第7艦隊と睨み合っている頃、総理官邸閣議室では臨時閣議が行われていた。
しかし、閣議室に集まった閣僚は全体の三分の二程しかいなかった。
「私は、海上自衛隊の全装備の使用許可をだすべきだと思います」
そう発言したのは、白髪頭の滝澤俊光防衛大臣だった。
閣僚が集まっていない理由は話し合っている議題にあった。
『海上自衛隊第四護衛艦群の武装の使用許可について』
アメリカは、潜水艦を沈めたことについての謝罪と賠償を求めている。
今は米第7艦隊と睨み合っているだけだが、もし米軍が撃ってきた場合に火器の使用許可がないと、護衛艦群はただの動く的だ。
しかし現段階ではまだ戦闘が行われていないのも事実。
この部屋にいない閣僚の考えは、アメリカに対して謝罪をし、これ以上問題を大きくしないために護衛艦群を撤退させることだった。
しかし閣議にでている閣僚のほとんどが、攻撃許可をだすことを考えているので、主張だけをして閣議には参加しなかった。
最も、防衛白書には『武力攻撃予測事態においては、武力攻撃の発生が回避されるようにしなければならない』と書かれている。
現在はまだ武力攻撃予測事態なので防衛白書の通りにするのが普通だ。
では何故攻撃許可をだそうとするのか。
理由は簡単だ。
長門型護衛艦の性能を諸外国に見せつけて、領土問題などを一気に片付けるためである。
もともと『長門』と『陸奥』は北朝鮮の核に対する抑止力として計画された。
だが抑止力だけではもったいないということで、領土問題にも使えるようにした。
「しかし第7艦隊を相手にするのは少し無謀ではないかね?」
第98代内閣総理大臣の寺崎陽介は不安げな表情を浮かべて言う。
それに対して、防衛大臣は言い切る。
「問題ありません。『陸奥』の戦闘能力なら大丈夫です」
防衛大臣の言葉に寺崎総理は、
「そうか」
と言い、立ち上がった。
そしてこう言葉を続ける。
「では多数決をとる。全武装の使用許可をだすことに賛成の者は手を挙げてくれ」
総理の言葉に、部屋の中にいた閣僚は挙手し始めた。
神奈川県の横須賀には海上自衛隊の基地がある。
少し前までは『陸奥』も停泊していた港には、陸奥の姉である『長門』などの第一護衛艦群が係留されている。
第一護衛艦群旗艦『長門』の艦魂、長門は予備会議室にいた。
護衛艦群のほかの艦魂もだいたいは集まっていた。
「だいたい集まったわね。しまかぜは……、いつもの事か」
長門の言った、しまかぜというのは『みねかぜ型護衛艦』の四女、『しまかぜ』の艦魂のことだ。
「今日、第四護衛艦群に武装の使用許可が下りたらしいわ」
長門の言葉に集まった艦魂達が少し騒がしくなる。
そのなかでも特に大きい声が、長門に質問する。
「てことはアメリカとドンパチやるのか?」
質問がでると周囲の艦魂も静まった。
質問の声の主は、やけに嬉しそうだ。
「全く、あなたも相変わらずね。なだかぜ」
そう呼ばれたのは、ショートの髪を軽く脱色して、その上から帽子を被った14、15歳くらいの少女だった。
帽子で気の強そうな瞳は隠れていた。
彼女は『みねかぜ型護衛艦』の五女で、護衛艦『なだかぜ』の艦魂だ。
みねかぜの姉妹は、なぜか問題児がとても多く、なだかぜもそのうちの一人だ。
どの辺が問題かというと、彼女は戦争バンザイな右翼なのだ。
「んで、どうなんだ?」
やはり嬉しそうに聞く。
長門はため息をついてなだかぜの質問に答える。
「まだ決まったわけじゃないわ。アメリカが何もしてこないかも知れないし、こっちだって先には動けない」
長門がいうと、なだかぜはつまらなそうに静かになった。
「今日の会議はこれで解散」
長門が言うと、艦魂達はそれぞれ自分の艦に返って行く。
そんななか一人だけ長門のところに来る人がいた。
「長門さん、今からどうですか?」
声をかけてきたのは16、17歳くらいの艦魂だった。
短い髪と少し日に焼けた肌で、ボーイッシュな感じだ。
彼女はヘリコプター搭載護衛艦『ひゅうが』の艦魂、ひゅうがだ
「えぇ、いいわよ」
長門はひゅうがに二つ返事で返す。
「じゃあ行きましょう」
二人は光と共に消えた。
二人が現れたのは、『ひゅうが』の甲板だった。
『ひゅうが』の甲板には人間には見えない、艦魂の能力で作られたテニスコートがあった。
二人はラケットを構え、コートに立っている。
ちなみにソフトテニスだ。
「今日は負けませんよ!」
ひゅうがはボールを高く上げる。
「はあっ!」
そして勢いよくサーブした。
ボールはかなりのスピードで相手のコートに飛んでいく。
「甘いわねっ!」
長門はサーブを打ち返す。
打ったボールはぎりぎりインになった。
ひゅうがは打ち返せなかった。
「どう?」
長門は得意げに言う。
ひゅうがは何も言わずに、またサーブを上げる。
それを長門が打ち返す。
しかし今度はひゅうがも返した。
そんなやり取りが20分ほど繰り返されていた。
現在、ファイナルゲームで得点は6対5で長門がリードしている。
ちなみに取ったゲーム数は2対2だ。
「やるわね」
長門がボールを上げようとする。
その時、コートの横に転移の光が発生した。
中から出てきたのは、四人の少女だった。
一人目は、ストレートの黒い髪を肩の辺りまでのばした16、17歳くらいの少女で、護衛艦『あけぼの』の艦魂、あけぼのだ。
二人目は、12、13歳くらいの少女で、あけぼのの陰に隠れていた。彼女は護衛艦『すずなみ』の艦魂で、とても恥ずかしがり屋だ。
三人目はすずなみの隣にいて、同じくらいの歳だが、すずなみと違い活発そうな少女だ。
彼女は重装護衛艦『みくま』の艦魂だ。
最後は20歳くらいで、長い黒髪を伸ばした大人っぽい少女だった。
イージス艦『こんごう』の艦魂だ。
長門はボールを上げるのをやめて、四人の方を向く。
「みんな、どうしたの?」
長門の問いにこんごうが答える。
「私の甲板でこいつらと話していたら、お前らが見えたから来てみたんだ」
こんごうの言葉に、他の三人は頷く。
「どう?あなたたちもやらない?」
長門は四人に提案する。
四人は顔を見合わせる。
「……わ、私はいいです」
あけぼのの後ろにいたすずなみが最初に言った。
「わたし審判やりたーい!」
すずなみの隣にいたみくまは元気よく挙手する。
「じゃああたしがやる!」
あけぼのが手を挙げる。そしてこんごうの方を向いて言う。
「こんごうもやろうよ」
こんごうはあけぼのに急かされて、やれやれといった風に頷いた。
「わかった、わかったから揺らすな」
こんごうがそう言うと、あけぼのはこんごうを揺らす事をやめた。
「じゃあちょっとまって。これ終わったらね」
長門はサーブを打つ。
それをひゅうがが打ち返す。
ひゅうがの打ったボールは相手コートのラインに当たった。
長門は返せなかった。
「イン!」
みくまの声が響く。
これで点数は6対6、デュースだ。
今度はひゅうががサーブを打つ。
長門はそのボールを打ち返す。
長門の打ったボールは結構な威力があった。
ひゅうがは何とかラケットに当てるが上に上がってしまう。
長門はそれを見逃さなかった。
「はぁっ!」
長門はスマッシュを打つ。
が、
「あっ」
前に出すぎた。
ボールは凄いスピードで飛んでいったが、
「アウト!」
みくまの声がまた響いた。
長門のスマッシュはアウトだった。
「まずいわね」
長門は焦る。
あと一点取られれば負けてしまう。
だが彼女は諦めなかった。
次に点数を取ればまたデュースになる。
ひゅうがは最後のサーブを打つためにボールを上げる。
そしてラケットに少し角度をつけて思い切り打った。
ひゅうがの打ったボールはカーブしながら正確に相手のコートに吸い込まれていく。
「くっ!」
長門はサーブを打ち返す。
しかしひゅうがの強烈なサーブのせいで力が変な方向にかかってしまった。
ボールは高く上がる。
それはひゅうががスマッシュを打つのにちょうどいい場所だった。
ひゅうがは狙いを定めてラケットを振り下ろす。
ひゅうがの放ったスマッシュは長門のコートに勢いよく当たり、バウンドしてコート外に飛んでいった。
「ゲームセット!」
みくまの言葉で試合が終わる。
長門とひゅうがは互いに握手をして、コートからでてきた。
「初めて長門さんに勝てました」
ひゅうがは嬉しそうだ。
「負けるとは思わなかったわ」
長門は悔しそうだが楽しそうでもあった。
「じゃ、早くやろう」
あけぼのの言葉でダブルスが始まった。
第四護衛隊群が第7艦隊と睨み合っている頃、第一護衛隊群は平和に過ごしていた。
ハワイにある記念艦『ミズーリ』の中の一室には、四人の少女がいた。
「なんかアメリカと日本が大変みたいね」
そう言ったのはこの記念艦『ミズーリ』の主、艦魂のミズーリだ。
「でもでもっ!もし日本がミサイル撃ってきてもも、わたしのスタンダードミサイルで全部落とすよ!」
ぴょんぴょん跳ねながら言うのは、近くに係留されているタイコンデロガ型巡洋艦『ポート・ロイヤル』(以下ポート)の艦魂だ。
「あーっ!ダメ、ポートが可愛すぎる!」
ミズーリはいきなり大声をあげたかと思うと、ポートを抱きしめた。
「むー!」
ポートは声にならない悲鳴をあげるがなかなか開放されない。
そのうちポートの抵抗が弱くなってきた
「ミズーリ、その辺にしたら?ポートが死んじゃうわよ」
そう言ってミズーリからポートを離したのは、ポートと同じタイコンデロガ型巡洋艦『チョーシン』の艦魂、チョーシンだ。
チョーシンに言われてミズーリは渋々ポートを離す。
ポートはミズーリの持つ最強破壊兵器によって窒息死しかけていた。
「もし日本と戦う時はアタシがやりたい」
先程の会話に今まで介入しなかった最後の一人は、これまたタイコンデロガ型巡洋艦『レイク・エリー』(以下エリー)の艦魂だ。
「いや、まだ日本と戦うと決まったわけじゃないのよ」
チョーシンはエリーに言った。
「そうだ、もしかしたら私もまた軍に入るかもしれないな」
ミズーリの言葉にみんなが笑う。
ここも、戦争が始まるかもしれない時でもとても平和だった。
海上自衛隊艦魂広報課 『広報かんこん』号外
きりしま・陸奥・さざなみ『ハッピーニューイy』
三人が新年の挨拶をしようとした瞬間、
ドゴーーーン!!!
予備会議室のドアが吹き飛んだ。
陸奥「な、なんですか?」
ドアがあった場所には作者となだかぜがいた。
二人はドロップキックでドアを壊したようだ。
サムライ・なだかぜ「日本人なら『あけましておめでとうございます』だろーが!」
なだかぜ「敵性用語を使うな!」
陸奥「ちょっと、何するんですか」
きりしま「何て言おうと私たちの勝手じゃない」
さざなみ「まず何でなだかぜがいるんだよ」
さざなみがもっともなことを言う。
サムライ「それは今日の『広報かんこん』は正月の号外だからです」
作者は口調が戻っている。
長門「他にもたくさんいるわよ」
いつの間にか長門もやってきた
三人は予備ではない普通の会議室に案内された。
あけぼの「早く食べよーよ!」
こんごう「少し待て」
おきかぜ「眠い……」
ミズーリ「みくま可愛い~!」
みくま「た、たすけ……」
もがみ「ち、ちょっと、だれか手伝って……(お節料理運搬中)」
みねかぜ「もっと酒持ってこい!」
ポート「遊ぼーよ」
エリー「日本のやつ誘え」
会議室の中は大変なことになっていた。
陸奥・きりしま・さざなみ『……』
三人は言葉を失った。
さざなみ「アメリカの艦魂まで……」
きりしま「もがみがちょっと大変そうね」
将「えっと、俺も来てよかったのか?」
陸奥「あれ?二士もいるんですか?」
浅間「俺もいるぜ」
人間二人もいた。
さざなみ「なんでてめぇもいるんだ!」
浅間「きりしまに呼ばれたからだけど?」
おおたか「そろそろ乾杯しよ~」
きりしま「もう飲んでる人もいるけどね」
おおたか「誰が音頭をとる~?」
おおたかが言うが、見た目が未成年の人が言う台詞じゃない。
サムライ「そりゃあもちろん作者の自分……」
陸奥「自衛隊戦艦『陸奥』の発展と今年の幸せを願って、乾杯!」
一同『かんぱーい!』
(全員、ビールを飲む)
作者は無視された。
サムライ「ちょっと!無視しないで」
陸奥「うるさいですよ?死にたいんですか?」
陸奥が怖い。キャラが変わってる。
きりしま「陸奥が危険なことを言ってるわ。秋月君、お願いね」
将「なにをですか?」
きりしま「陸奥のお守りはあなたの役目でしょ?」
将「なんで!?おかしいですよね?」
陸奥「そうですよ。私はお守りなんてされる歳じゃありません!」
将「そっち!?」
陸奥はツッコミどころがちがう。
だいたい将からすれば陸奥は立派な子供だ。ただ、将もきりしまから見れば同じだが。
浅間「さざなみ、お前結構飲めるんだな」
さざなみ「てめぇもな」
浅間「当たりめーだ。高校生の時から飲んでたからな」
こっちの人間は法律違反をしているようだ。
おおたか「今日は珍しく喧嘩してないね~」
さざなみと浅間を観察していたおおたかに、後ろから声がかかる
陸奥「おおたかは飲まないの?」
陸奥の手にはジョッキが握られている。
おおたか「うん~。あっちみたいになりたくないし~」
陸奥「あっち?」
陸奥はおおたかの指した方を見た
おきかぜ「うぅ……。気持ち悪い」
なだかぜ「だからあれほどやめろって言ったじゃん」
みねかぜ「そいつはほっとけ」
なだかぜ「そうだね」
おおたかの指した先には、みねかぜの姉妹がいた。
どうやらおきかぜがビールを飲んで倒れたらしい。
おおたか「わかった~?」
陸奥「うん」
将「陸奥、あんまり飲むなよ」
一緒に見ていた将が、いきなり陸奥に言った。
陸奥「なんでですか?」
将「運ぶのが面倒だから」
将は経験者だ。一度、倒れた陸奥を部屋に運んだことがある。
陸奥「別にいいじゃないですか。重くないですよ、私」
陸奥はそう言ってビールを一気に飲む。。
将「そういうことじゃない。誰もいないのにおぶっている格好に見えるだろ」
将が言ったがもう遅く、陸奥は倒れた。
ミズーリ「すずなみ可愛い」
ミズーリは今度はすずなみを抱きしめていた。
そんなミズーリを、チョーシンが止める。
チョーシン「ミズーリ、そろそろやめないとすずなみが……」
チョーシンに言われてミズーリは、やっとすずなみを離した。
すずなみは一目散に逃げて、あけぼのの後ろに隠れた。
「ごめんね、すずなみ。ミズーリは悪い人じゃないんだけど……」
きりしま「そろそろお開きかしらね」
将「また陸奥を運ぶんですか?」
きりしま「そうよ、他にいないわ」
将「確かに……」
さざなみ「ウィーヒック、まだまだ飲めるぜ……」
浅間「俺もいけるぜヒック」
きりしま「さて作者君、今年の抱負を」
サムライ「いきなりですか。そうですね、とりあえず一ヶ月に一回更新と、少し細かいあらすじを考える事です」
おおたか「考えてなかったの~?」
サムライ「……はい」
きりしま「まあいいわ。それよりそろそろ挨拶しないと」
おおたか「そだね~」
サムライ「えーと、昨年はたくさんの皆様にご覧頂きました。ありがとうございます」
きりしま「こんな作者と小説ですが、今年もよろしくお願いします」
一同「よろしくお願いします」